行動すべきです
現在、何軒かのご家族の支援にかかっていますが、
ご家族支援で一番難しいのは、現状を変えようとしないご家族です。
「いつか目が覚めて立ち直ってくれる日が来る」
という魔法が息子にかかる日が来る・・・と信じているんですよね~。
そんあの有り得ませんよ。
それでも何とかしよう!と立ち上がる嫁がいればまだ何とかなりますが、
そうではなく、がっちりと親子の共依存関係で、
何年も過ごしている・・・なんて場合は本当に困っちゃいますね。
自分がどんどん病気を悪化させているのに、
「自分がいなかったらどんなことをしでかすかわからない」
と本気で真面目に心の底から信じきっているんですよ。
いや、そうじゃないでしょ~、
あなたが余計な手出しをしなかったら、依存症者は自立しますから!
ホンマ呆れ果てるのは、
「持っていないと就職もままならないだろうから」
「車がないと仕事にも行けないだろうから」
と考えて携帯や車を与えてしまう親御さんですね。
んで、その携帯で詐欺を働いてたり、
お金を借りまくってたりしてるんですから逆効果なんですよ。
薬物の息子に車なんか与えたら、
それはもう凶器以外の何ものでもないですよ。
それこそ他人様を傷つけます。
「仕事をしたら立ち直る」んじゃなくて、
「回復したら仕事に就ける」ですからね。
その順番は、間違えないようにしないと。
それもですよ、何度か相談に行っていたり、
自助グループに繋がっていてもそうやってる方がいらっしゃるので、
まっそんな時は、私がめっちゃガツン!と言いますね。
大体皆さんショック受けてますけど、
もうね~病んでるご家族には、ショック療法が案外効くんですよ。
その代り、一緒に考え、提言し一歩ずつ一緒に行動してあげるんです。
大体家族も傷ついてますからね、
相談に行って「手を離せ!だからダメなんだ!」とは、
大体どこでも言われますけど、
じゃあどうやって手を離すのか?
まず何をやったらいいの?って具体的なことは、
言ってくれなかったりするんですよ。
具体的なことって言ってダメだと、後で責められるんじゃないか?
っていう恐れが援助者の中にはあると思うんですよね。
特に公共機関や病院だったりすると。
だから言いきれない。
概念は話すが、踏み込めない・・・って感じですね。
だから混乱してるご家族は、
何をどうすればいいかが分からない。
それが我々のような自助組織や、ボランティア団体だと、
自分の経験を伝えていくわけだし、
そのパターンでダメならこっち、上手くいったらこっち!
といくつも引き出しがあるので、そんな一発勝負みたいに
賭けちゃう必要がないから、余裕があるんですよね。
そもそも一発勝負なんかじゃ上手くいかないし、少しずつ
「携帯自分名義にさせて自分で支払わせよう」
「食費を入れさせよう」「食事や洗濯をやめよう」なんて、
具体的にその家にあったアドバイスをしつづけていくうちに、
何度かチャンスがくるっていうもんなんですよね。
で、本当に上手くいくパターンってのがあってですね、
案外これが一番シンプルなんですけど、
「敷金礼金前家賃一か月分だけ払ってあげるから、家を出ていって」
と伝えてみるんです。
そもそも親に常に監視されうだうだ言われてるのなんて、
本人だって息苦しいじゃないですか。
親だって、息子の管理監督なんてとらわれるだけで、
何の効果もないわけで、家の中はお互い真っ暗です。
でも「イネーブリングはいけない」とセミナーなんかで言われて、
「出ていけ!とは言ってるんですが、出ていかなくて・・・」
とこう言ってる親御さんが本当に多いんですよ。
そもそも依存症者が、そんだけのお金を貯められるわけがない!
だから私は「そんなもん自分が楽になるための自己投資と考えな!」
とはっきり言いキリ、そのお金は出してよい!と伝えてます。
そして出ていって貰って、双方楽になる。
そうすると、案外息子たち喜んで出ていくんですよね~。
親御さんたち、これ言うと「暴れるんじゃないか?」
なんてビビりまくってるんですけど、
あっさり受け入れ、出ていったりするんで、
「りこさ~ん!息子出ていくそうです~」
なんて喜んで電話かかって来ます。
そしたら人によっては、また追い打ちかけて、
「オッケー!そしたらそこで家を探すのを息子に任してちゃダメ。
今すぐ一緒に不動産屋行って、部屋決めてきちゃいなさい。
あっそれから保証人にはなっちゃダメ。保証協会でやって貰ってね!」
なんてアドバイスしたりします。
親が管理をやめて自立すると、
問題に直面化して、依存症から回復するっきゃありません。
だから、そのサポートのためのひきだしを、
常に私たちは沢山ストックしてます。
エビデンスとか難しいことは言えないし、
証明も出来ないけど、長年の知恵って実践には役立つものなんですよ。
だから今度近いうち私が引き出しにため込んだ、
サポートの事例を皆さんにお伝えする機会があると思います。
是非、お楽しみに~!
クリックでランキングがあがります。
にほんブログ村
依存症 ブログランキングへ
現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト
[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)