IRをきちんと審議して欲しい!です

公開日:  最終更新日:2016/11/19

最近、IRカジノ法案の記事をチラホラとみかけるようになり、
今国会で審議するのかなぁと思いきや、
またしても民進党の野田幹事長がこんなことを言いだし、
「相変わらず、自分のことしか考えてない人だなぁ」と、
心の底からがっかり来ています。
民進・野田佳彦幹事長、カジノ法案「急いで審議するテーマではない」(産経ニュース)

いいですか、野田幹事長、私たちの現状についてよく聞いて下さい。
私たちは、このIR法案が進まないために、
この国のギャンブル依存症対策推進について、
ずっと宙ぶらりんに棚上げされ、苦しんでいるんです。

このIR法案、通称カジノ法案は議員立法ですから、
超党派議員によって、提出されています。
ですから主なメンバーの中には、
自民、公明、民進、維新の先生方がいらっしゃいます。

推進派の先生方は、
「IRを通して、置き去りになったギャンブル依存症対策を推進する」
つまりカジノとバーターで、ギャンブル依存症対策をやる!とおっしゃっています。

対して、反対派の先生方は、
「IR法案を通したら、ギャンブル依存症などの社会問題が懸念される」
とおっしゃっています。

でも、私はハッキリ申し上げたいのですが、反対派の先生方のこれまでの姿勢は、
「カジノには反対するけど、ギャンブル依存症対策もやらない」
としかみえません。

この民進党の安住淳代表代行のコメントなんか特に腹が立ってしょうがないです。
IR法案は「審議する環境にない」 民進・安住淳代表代行(産経ニュース)

社会的弱者のことを想っているようなご発言ですけど、
だったら何故今すぐ、パチンコ不正くぎ問題や
パチンコ依存症の問題で、
動いてくれないんですか?
ギャンブルで弱者が一番被害に会っているのは、
なんと言ってもパチンコですよ。

何も、パチンコをなくせ!と言っている訳じゃありません。
市場規模に見合った、依存症対策を導入すべきだし、
少なくとも18未満の高校生ら青少年が入場することがないよう、
きっちりとした対策をとって欲しいとお願いしている訳です。

でも、この国は皆さんご存知の通り、
ギャンブル産業がものすごい力を持っている訳ですよ。
パチンコ産業のオーナーは、安倍総理とゴルフをする仲ですし、
日本財団なんて今やどれだけの強大な力を持っていることか。
福祉に関わる人は皆日本財団に関わっていると言っても過言ではないのに、
日本財団は「競艇依存症対策」には全く手をつけていない訳です。

ここまで強大な力となったギャンブル産業を動かすのは、
容易なことではありません。
わざわざ自分たちの実入りが減るようなことを、
自らすすんでなんてやってくれません。
そしてそこにおもねる人たちだって沢山いるのです。

でもそれを動かせる最大のチャンスがIRなわけです。
しかもですよ、私がこういった民進党の先生方にうんざりするのは、
民進党の先生方の中にはIR推進派もいるわけですよ。
そしてそういう先生方のパーティーなんかには、
当然IR推進派の人たちが沢山出席している訳ですよ。
そういう姿を見ているとですね、
こういうもったいぶったことやって決着をつけないでいるのが、
ハッキリ言って政治家の先生にとっては一番美味しいのでは?
と勘繰りたくなります。

IRを審議して、世論が反対だ!と盛り上がり、
このIRはなしにしよう・・・となったなら、
「じゃあギャンブル依存症対策考えないとね!」となるかもしれません。
私たちも、益々ギャンブル依存症対策の必要性を訴えてまいります。

でも今のように、
「IRとバーターでギャンブル依存症対策を!」となっている状況が、
何年も続いたのでは、我々は生殺し状態です。
対策なんか全く進みません。

やるのかやらないのか、審議くらいは入って欲しいと思います。
そして、「弱者が被害に会うから反対だ!」とおっしゃるなら、
きちんとギャンブル依存症対策を打ち出して下さい。

ご自分たちの立場の確立のために、
私たちを利用するのはやめて下さい。
私たちは、何もされずに置き去りにされるより、
賛成反対色々あれど、とにかく話し合いの俎上には載せて欲しいのです。

共産党の先生方ですら、競馬にメスを入れることは、
日本の畜産業保護の観点から難しいと聞いたことがあります。

ですから私は、ギャンブル産業を否定しても何の解決にもならないと思っています。
多くの方々が就業している現実もあるわけですから、
ギャンブル産業をなくすことなどできないのです。

でも、これまでのギャンブル政策には依存症対策が抜け落ちていた。
だからこれからは依存症対策を導入する必要があるんです。
そのためには、起爆剤がなくてはできない。
それが今の日本の現実なんです。
反対派の先生方、審議から逃げないで下さい。
審議し世論と共に考えて欲しい、そして対策の推進に繋げて欲しいのです。

先生方が反対の姿勢を貫くなら、
どれだけギャンブル依存症対策が必要か、そしてまず何をやるべきか、
一緒に考え、動き、法律を作って下さい。
カジノを潰しても、それだけでは依存症対策になんかならないのです。

推進派の先生方、カジノを導入するなら、
カジノの依存症対策だけでなく、必ず既存のギャンブルに対しても、
依存症対策のための規制のメスを入れて下さい。

とにかく、審議を勧めて欲しいのです。

是非、先生方には、ご自分たちの利益だけでなく、
何が、本当に弱者のためになるか、
広い視野に立って考えて欲しいと思っております。
心よりお願い申し上げます。

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
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[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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