「あんた治療した方がいいよ」と言える社会です

公開日: 

本日、今成さんからこんな記事を教えて頂きました。
“お酒大好き”パックンが語る「アルコール依存症」の日米文化論──なぜアメリカは大っぴらに告白できるのか

パックンいいですね~。
さすがはハーバードでしたっけ?
コメントが実に的を得ていますよね。

3月の厚労省のイベントでMCをつとめて下さった際にも、
「依存症のイベントにパックンマックンをまた呼んで下さいね~」
とおっしゃって頂けて、実に嬉しかったことを覚えております。

また我々の知らないようなことも教えて下さり、興味深いです。
禁酒法の郡がいまだにあって、その州境には酒屋さんだらけ!
なんて実に示唆に富んだお話しです。
そう我々も思ってますけど、禁止は依存症には役立たないんですよね。
普通の人達の抑止に繋がるので、予防にはなるのかもしれないですけど、
禁止することで、スティグマを強めてしまうというリスクもあります。

海外ドラマなんかを見ていると、しょっちゅう依存症ネタが出てきますよね。
AAをはじめとする、12Stepグループなんかありとあらゆるものが登場します。
それなのに翻訳がイマイチだったりしますよね~。
「全国禁酒同盟」なんて字幕が出たりしてガクッと来たりしますもん。
あんなんもう「AA」とか「NA」とか「GA」とか、
そのまんまで通じるような日本社会になって欲しいです。

この記事を読むと、やっぱり「回復者」がメッセージを発信することはデカイですね~。
アルコールや薬物で、プログラムを受けたり、回復施設で回復した人が、
社会で発言していくってやっぱインパクトがあるんですね。

日本は、ノリPとかマッキーとか、大物アーティストの事件が色々ありましたけど、
回復プログラムに繋がったという話も聞かないですし、
ご本人もその件では一切口を閉ざしていますよね。
田代まさしさんと杉田あきひろさんが当事者メッセージで頑張ってますけど、
まだまだ社会は受け入れ体制にないですよね~。

以前、アゴラさんにも書きましたが、
山口達也さんは日本のエミネムを目指して欲しい
日本にもエミネムの様な人が出てきて欲しいです。

またパックンの
これはお酒の問題だけじゃなくて、社会全体に言えることでもあると思うんですが、
日本は「人に口出ししない社会」なんです。ネガティブなことや言いづらいことは徹底的に避ける。
「あんた、そんな飲み方したら早死にするぞ」とは言えずに、
すごく婉曲的にやんわりと伝えるに留めますよね。

日本人がハッキリ物申さないのは、ある意味、優しさでもあると思うけど、
そのせいで本当に治療が必要な人に「もうここまできたら病気だから、あんた治療したほうがいいよ」
って言ってあげるチャンスを逃していることも多いんじゃないかと思います。

というコメントは実に考えさせられますね。
日本は依存症からの「回復」という概念が全然広まってないんです。
「ダメ」か「見ない」か「再起不能」か、この3つしかないんですよね。
当事者・家族にとっても社会にとっても本当は「回復」こそが一番メリットがあるのに、
そこは見ないし、知らないし、語らない。

特に違法薬物の依存症となると、もう「絶対許さない!」みたいな感じになっちゃいます。
いやいや「許さない」って叫んだって、解決にならないじゃないですか。
「許さない」って叫んでなくなる犯罪なんかないですよね。
「許さない」だけじゃ、思考停止してますよね。

「ダメ絶対」なんてね、ある程度正確な情報提供をすれば90%の人はやんないですよ。
ことさらスティグマを強める必要なんかないです。
特に日本は順法精神強いんですから。

だから問題は残り10%の人に、アプローチしなきゃだめじゃないですか。
その人達は、「死んじゃうよ」とか「刑務所入っちゃうよ」とか「廃人になるよ」
なんて言ったってダメな訳ですよ。
そんなの知ってるけど、やっちゃうんですから。

私だって「ギャンブルは勝てない」って知ってたってのめり込んだし、
「借金すると苦しい」ってわかってるけど、やるんですから。
そういうね~分かりきったこと言われんのが、依存症者は一番うざいし、
言われれば言われるほど「誰も分かってくれない」と思ってますますやっちゃうんですよね。

だからダメ絶対で響いてないんだから、逆に行けばいいんですよ。
「やめられなくて辛いよね」とか「わかってるけどやっちゃうんだよね」とか、
薬物の人達に「どう言われたら心開くのか?」意見を聞いてコピーライトするべきなんですよね。

ちなみに私だったらですね

「ギャンブルの借金がヤバい人、打ち明け話大会やるよ!」
「ギャンブル場が居心地良くて抜けられない人話しを聞かせて」
「彼氏と一緒にギャンブルやっちゃう人一緒に話さない?」
こんなコピーのポスターがあったら連絡したと思いますね。

私の場合は「苦しんでる人」とか「相談」とか「一人じゃないよ」
みたいなのは全くダメだったと思います。

だからなんか自虐ネタのお笑いイベントかな?
なんて思わせるような明るい感じにしてもらって、
実際、そういう本当はヤバいけどやばすぎて自虐ネタじゃないと、打ち明けられない!
みたいに追い詰められた人が、うっかり話しちゃった~
みたいなイベントが、当時あったらなぁ~と思いますね。

んで、ゲラゲラ笑いに変えながら話すんだけど、
帰りがけに、マジなパンフ貰って帰って、
家でこっそり読んで「行ってみよう!」と思うとかね。

あとはイベントの最後に話しの上手い、明るい回復した人が
「仲間とかって、マジきもかったんだけど~、結構面白くってさ~」
的な体験談を話してくれたりしたら、めっちゃささったと思いますね~。

書いてて「あら?このイベント実際やろうかしら?」と思ったくらい、
ナイスアイディアじゃございませんこと?

いかに相談のハードルを下げ、理解を深め、
「あんた治療した方がいいよ」と言える社会にできるかどうか?
みんなで知恵を絞ってまいりましょう。
変えよう!日本社会。

ブログ是非応援して下さい!クリックでランキングがあがります。
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 依存症へにほんブログ村
依存症 ブログランキングへ

PVアクセスランキング にほんブログ村

現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP ↑