昨日、鳥取のアディクションセミナーで、
昔のことを想い出してしゃべってたら、
不覚にも思わず涙ぐんでしまったんですよね～。

ギャンブルや買い物の依存が止まらなかったときも辛いですけど、
止まりはじめた最初の1年2年ってのが。
これまためっちゃ苦しいんですよね。

だって快楽ホルモンのドーパミンがですよ、
ハマってたもの以外での出が悪くなってる訳じゃないですかぁ、
そりゃあもうどよよよ～～～～～～んと、
ウツ状態になっちゃうわけですよ。

我々の命の恩人、12ステップの生みの親のビル.Wだってですね、
止まったあとうつに苦しんだんですからね。
そこ乗り越えるまでが、マジで地獄なんです。

で、依存症業界には「ホワイトナックル」って言葉があるんですけど、
一般の皆様はご存じでしょうか？この言葉。

手をグーの状態で握り締めると白くなるじゃないですかぁ、
そんくらい必死になって、依存物質、依存行為を我慢している様子を
「ホワイトナックル」っていうんです。

私も、買いもの依存を止めて1年間このホワイトナックルで過ごして、
借金返し終わった時には、本当に空っぽになってですね、
「もう、死のう・・・」と、なんちゅうんですか力尽きた・・・と思いましたよね。

ホワイトナックルでも「借金返すぞ！」と思っている時は、
辛いながらもまだ目標があったからよかったんですよ。
で、私の場合「返そう！」と必死になると、
それにハマってダブルワーク、トリプルワークで返せちゃうわけですよ。
で「借金返したら、きっとこの辛い、苦しい気持ちもなくなるはず！」
って思ってたんですよね。

でも全然そうならなかった。
1年で借金返し終わっちゃって、何も問題がなくなったのに、
全く1ミリも幸せを感じられず、相変わらずの辛さ苦しさで、
「もう私、無理・・・」って思いましたよね。
「これ以上、頑張れない。やれることないわ」ってなっちゃいました。

13歳から45歳まで、早く死にたいと思い続けてきましたけど、
13歳で中学の時に色々とひどい目にあった時と、
この買い物依存が止まってからの1年間特に借金がなくなってからの数か月が、
私が最も死に近かった日々でした。

だからですね、うっかり依存症を止めることって果たして良い事なのか？
って想いが私にはあるんですよね。
自助グループや回復施設などの安全なセーフティネットもないのに、
例えば入院とか何かの拍子にしばらく止まった・・・
なんて状態は、全然良い状態と思えないんですよね。

もしあの頃、自助グループに居なかったら、
まぁ止まってたかどうかも分かんないですけど、
死んじゃった気がします。
そん位、ホワイトナックル状態で依存を止めるのって辛いんですよね。

でも、そっから私は12ステップにたどり着けたんですよね。
あの頃、先行く仲間に沢山の言葉を貰いました。

母親への恨みで苦しくてしょうがなかった時、
「怒りたきゃ怒っててもいい。それもまた過ぎる。」

会社でミスが続いて上司にボーナス下げられ、辞めたい！と泣いてた時
「りこちゃん、社会で沢山恥をかきなさいって私は教えられたわよ～。
だって、私たち傲慢なんだもの。」

「完璧主義」や「白黒思考」という言葉も仲間に教えてもらいました。
そして「きちんとしてそうな人ほど、死んだよ」と、
ぽつりと淋しそうに言われました。

グルグル、くどくど言う私に、
「りこちゃんの頭ん中の考えなんか、真実じゃないからさ～」と、
笑い飛ばして貰ったこともありました。

究極は、泣きながらミーティング場に行った私に
「どうしたの？りこちゃん、今日はブスね～！」
と言われた時は、思わず笑っちゃって、肩の力が抜けたものでした。

あの頃、私ほど面倒くさい人間てちょっといなかったんじゃないかなと思うんです。
絶望にもてあそばれながら、希望を掴むことはカッコ悪いと思ってました。

回復してからの私と、回復前の私は本当に別人です。
でも、どんな時も寄り添ってくれる仲間がいたんですよね。
あの頃のことを想い出すと感謝の気持ちでいっぱいになります。

今の私は、忙しいこともありますけど、
もうあの頃の自分じゃないので、あんなふうにずっと付き添ったりはできません。
役割は、仲間と分担しあっていると思っています。

でも、いつも私の中にはあの頃のことを忘れていない自分がいて、
組織にあっても、内部の人達をきちんと統制しないようにしているし、
「ちゃんと、きっちりなんてせんでいいから」と伝えています。

柄が悪いので、私が言うと
「うるせ～、おめ～の頭の中で考えてることなんか真実じゃね～んだよ」
と暴言となっていますが、先行く仲間からもらったスピリットはお返ししてます（笑）

相談会などでも、深刻にならないように、
深刻な事態ほど、大したことないように笑い飛ばしてやります。

あの頃のこと真面目に思いだすと、
「マジ、あんだけ付き合ってくれてありがと。」
って気持ちになって、時々感無量になって泣けるんですよね～。
有難くって泣ける私たちって、ホンマ有難いこっちゃなぁ～としみじみ思います。

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