元老たれ!です

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今日は回復の祭典「リカバリーパレード」に参加して来ました。
これは依存症をはじめとする、様々な心の病を抱えて人たちが、
「心の病というものは、回復できるものなのです!」と、
「回復する」ということを知ってもらうために、
街を練り歩くお祭りで、年に一回開かれています。

海外ではじめられたパレードですが、
日本でも主催団体の皆さんが頑張って来られたお陰で、
いまでは全国様々な場所で、同時開催されています。

私も、第1回の頃から参加し、この3年くらいは参加できませんでしたが、
今日はまた久しぶりに夫と共に参加してきました。
ギャンブル依存症の仲間が結構来ていたり、
アルコールの仲間、薬物の仲間、援助職の方々など、
久しぶりにお会いする面々と会えて、
「わぁ~、元気でした?」
なんてちょっとした同窓会気分でした。

そこでFBにもUPした、「レンタルギャンブル依存症」という、
ユニークなサービスを開始している、
杉山友作君とも会うことができて、
親交を深めることができました。

彼の取り組みをHPから是非ごらん下さい。
http://www.rentalgambler.com/
漫画エッセイも実に面白い!
一見の価値ありです。

で、パレードの後、ギャンブラーの仲間達と、
ランチを共にして帰宅したのですが、
今日は夫と共感し、つくづく話したことがあります。

それは、いつの間にか自分達が、
先ゆく仲間の立場になっているんだなぁということです。
がむしゃらに突っ走ってきたこの11年の間に、
沢山の出会いがありましたが、
最初のもがき苦しんでいた頃、
プログラムに出会い、死の淵からよみがえった頃、
そしてそのプログラムを広めようと、
仲間と全国行脚をしていた頃、
常に自分たちを支えてくれたのは、先ゆく仲間の存在でした。

ギャンブラーだけでなく、アルコールの先ゆく仲間達に、
ものすごく助けられた時代もありました。
当時はアルコールとギャンブルの自助グループの親交も深く、
プログラムが進んでいるアルコールのミーティング場に、
私たちが大挙して押しかけ、先ゆく仲間の言葉を、
一言も聞きもらすまいと、熱心に耳を傾けていました。
懐かしい想い出ですね。

プログラムを実践している方々が、セミナーでスピーカーをするよ~
などと聞きつけると、私たちは追っかけのように、
出かけて行っていました。

そしていつの間にか、自分達もそんな風に
「話が聞きたい」と言われるような、
先ゆく仲間になっていたんだなぁと、
今日はしみじみ感じました。

若い仲間との出会いや、
後から来た仲間との交流は、
先ゆく仲間とはまた違った、
希望や回復の喜びを感じることができます。

特に自助グループの活動は、
回復のメッセージを広めていくことだけが、
唯一の目的とされており、
私たちは、まだ苦しみの中にある仲間達を助けていくこと、
という共通の使命感を持っています。

ですからビギナーとか、ニューカマーと呼ばれ、
「今日一日」を目標に、
一日一日ギャンブルを止めていく生活をはじめる仲間が
一番大切にされるのが自助グループのならわしなのです。

普通の社会のヒエラルキーとは
真逆にあるのが自助グループで、
様々な決定権も、現場の各グループが持ち、
トップダウン方式などではありません。

私たち夫婦もこの仕組みを心から愛し、
リスペクトしています。

ですから、ニューカマーが、繋がって来たばかりの頃は、
ロクに口もきけず、目も合わせず、
恨みや自己憐憫でいっぱいの暗い表情だったのに、
段々自分たちに心開いてくれ、
自分のグループに居場所を見つけ、
元気になっていってくれることが、何よりの喜びです。

今日は、そんな後から来た仲間と沢山出会い、
私たち夫婦が伝えてきたメッセージ活動に、
「あの時こうしてくれた」とか、「こう言ってくれた」と、
色々言葉をかけてくれて、本当に嬉しく思いました。

私たちがやって貰ったことを、
いつしか誰かにお返しできるようになったんだなぁと、
回復できたことを、有難く喜ぶことができました。

私たち自助グループの中には、
「死にかけの執事」と「元老」という言葉があります。

この言葉は対極にあるものの比喩で、
古いメンバーがいつまでもサービス活動などに居座り、
まるでグループの番人、裁判官のように見張り役となって、
権限を独占しようとする人を「死にかけの執事」と呼び、
新しい人たちを尊重し、ある程度決定権のあるサービス活動に携わったら、
数年の後(およそ2年程度)には、そのポジションを後進に譲り、
新しい人たちのやり方を見守り、自分たちのやり方に固執せず、
けれどもなおかつ、意見を聞かれた時には、
自分たちの経験を話し、役立ててもらおうとする謙虚さを持ち合わせた人を
「元老」と呼んでいます。

元老は引退してしまうのではなく、
サービス活動などで、代表等の座を譲るだけで、
1グループの1メンバーとして、
コーヒー係などの係を当たり前に引き受け、
グループを守り、メッセージを伝え、ニューカマーを助けていくのです。

今日は夫と、自分達より後から来た人たちの、
高いモチベーションを感じ、
自分たちもずっとこの仲間の中に居たいなぁと思いました。

そして「元老」たらんことを目指し、
様々な方法にチャレンジして、メッセージを広げようと、
工夫する後から来た仲間達を、ジャッジすることなく、
どんな仲間も応援できる自分たちでありたいと思いました。

「やってみようよ!」と、失敗なんて恐れず、
チャレンジできる安全地帯
それが自助グループの良さです。
裁判官も審判もましてやご意見番など必要ないのです。

元老となるのは実に簡単です。
ただ愛すれば良いだけ。
仲間とそしてグループと、回復プログラムの原理をです。

そして見返りを一切期待せず、
ひたすら与えていくことで、
自分には永遠の安息の居場所ができるのです。

元老でありたい、
そして謙虚な自分でありたい、
どんなに成長していったとしても、
自分は何ものでもないということを、
いつも忘れずにいたいと思いました。
そして永遠に仲間と共にありたいです。

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