なぜ家族も自助グループで回復するのか?です

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今日から2日間、ギャンブルの家族の自助グループでは、年に一度の大きな集まりがあります。
全国から数百人の仲間達が集まってくるんですね。
それはもう圧巻です。そしてあまりの明るさに、外部の人達は驚いてしまいます。
私も、毎年参加しており、仕事の目処をつけたらこれから今年の開催地栃木県へと向かう予定です。

さて依存症問題のビギナーさんや、一般の人達から見ると、
「何故、家族が自助グループに行く必要がるのか?」と思われるかと思います。

でも私は、依存症問題でこれこそが最重要なポイントだと思っています。
依存症というのはその字のごとく「行き過ぎた依存」が問題です。
逆に「適度な依存」は人間には必要です。

では、「適度」な依存が「行き過ぎ」てしまうのはなぜか?
そこには、「行き過ぎ」を良かれと思って、後押ししてしまう、
イネーブラーという存在があることが大きな要因になっています。

イネーブラーとは、可能にする人という意味で、
依存症者だけだったら不可能なことを、可能なことに変えてしまう人で、
主に家族がその役割を担っています。

家族は、よかれと思って、当事者の借金の肩代わりをする
家族は、よかれと思って、当事者の金銭管理をする
家族は、よかれと思って、あれこれ世話を焼きアドバイスしてしまう

こういったことを繰り返していると、ある日依存症問題に気が付き
「そんなこと止めなさい!」と言われても、止めることができなくなってしまっています。

なぜなら、そのやり取りには快感が伴うからだと思います。
よくDV加害者は、殴ったあとにめちゃくちゃ優しくなって、
その落差で、被害者も離れられなくなると言いますよね。
まさに行動学の基本「注目」と「報酬」による行動の強化ですよね。
ダメだと分かっていても、優しくされた時の報酬が忘れられず、
そこから離れられなくなってしまいます。

ギャンブル依存症者の家族にも同じことが起きています。
尻拭いをしてあげると、しおらしくおとなしくなり、
自ら挨拶をしたり、家事にせいを出してみたり、働く意欲を見せたりします。
「あ~やっと分かってくれた!」と思うあの安堵感。
そして、自分が必要とされる喜び。

これを繰り返していると、家族は自分の身を滅ぼすくらい、
貢ぎあげても、止めることができなくなります。
DVだろうとホストだろうと、共依存者に起こることは皆同じ。
自分を苦しめているのに、止めることができなくなります。

さらに、日本の家族の場合は、
「家族がなんとかするのがあたりまえ」と、社会も思っているため、
その固定概念からますます呪縛が解けません。

その、固定概念を打ち破り、思いこみのブロックを外してくれる!
それが力強い家族の自助グループの役割です。

借金を支払わなかったら「あ~なる、こ~なる」
未来のシュミレーションが止まらずに、恐れの中で生きてる家族に、
大丈夫大丈夫!と、
「うちも、そうだったんだけどね~」と話してくれる家族たち。

そりゃ最初っから行動を変えられたりしませんけど、
繰り返し聞いてるうちに、なんか自分もできる気になってきます。
その明るさやパワーは、来てくれた人にしか絶対に分かりません。

さてと、私もそろそろ行かねば!
1年ぶりの再会楽しみです。

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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