予兆です
私、入寮者のご家族の支援をしているので、
時たま、奥様と二人で、ギャンブラーのご主人が勤めていた、
会社に、お詫び行脚に行くことがあります

無断欠勤や、借金なんかを繰り返していたご主人だと、
会社の社長さんもたいそうご立腹だったりします

奥さんの問題ではないのに、辛いし、みじめだし、恐いし
色んな感情が出て来るじゃないですか

だから少しでも支えになれたらいいなぁと思ってやってます

ところが、今日は、そんな今の私を、
まるで示唆していたような過去の話を、母から初めて聞きました

私の父はギャンブラーで、私がほんの幼い頃、
会社のお金を横領をして、クビになったんですね

でも、正確には横領ではなく、
会社の社判を持ち出して、近所の資産家の老夫婦をだまして、
会社の名前で借金したんだそうです。
金額にして50万円

まぁ今でも大金ですけど、昭和40年代の50万円ですからね

今なら、200万円~300万円といったところでしょうか

で、それに気がついた社長さんが、
「奥さん、ご両親と一緒に、ちょっと来て下さい。」と、
母を会社に呼び出したそうです

そして、母はなんと、自分の両親と、私を抱っこして、
父の会社に出向き、その衝撃の事実を告げられたそうです

「その時、会社の女の子たちが一斉にあんたのこと見てね~、
笑ってるような、さげすんでいるような、憐れんでいるような、
何とも言えない顔してたのよ。」
と母が語り出したので、びっくりしました

「えぇ~
そこに私も居たの~
」


「うん、そうよ」
「えぇ~、まるで今を予兆するような出来事だねぇ
」

「父親がね、カスをつかみやがって
って言ったらね、

社長さんが、お父さん、僕だって分からなかったんだから、
20代の若い女性に分かるわけないですよ
って言ってくれてねぇ~」

母は、淡々と語りました。
「あぁ、もうダメだなぁ~と思ったわ。」
母から、こんな話を生まれて初めて聞きました。
母は、そもそも不仲だった父親に責められ、
自分も後悔だらけだったと思います

会社の女の子たちにも、針のような視線を向けられ、
幼い私を抱えて、どれだけ惨めな気持ちだったでしょうか

でも、そんな時でも社長さんは母に同情し理解を示してくれたようでした。
私は、そんな過酷な状況の母を、支えてくれた人がいて、
本当に良かったなぁと思いました

せめて社長さんにまで責められずに済んだことは、
母にとっても大きな救いだったにちがいありません

もちろん、その時の私は、そんな大人の事情を知るよしもなく、
無邪気に母の腕の中で、遊んでいたはずです

まさか、40数年後の自分が、
同じような場面に何度も遭遇する仕事に就くとは、
その場の誰も、もちろん想像すらしていなかったことでしょう

「へぇ~、人生ってなんかすごい

輪廻を感じるなぁ~やっぱり運命だったんだね~

ホント人生には、無駄はないねぇ~
」と明るくいう私を、

母はどんな風に見ているのでしょうか

母は本当に強い女性です
私は、母の様には絶対になれない、
あんなに強い人は見たことがありません

そして、この時、父と別れを決意してくれたことを、
今の私は、心から感謝しています

娘の為に・・・と、夫婦を続けないでいてくれたこと、
それが何よりの母を誇りに思う所です

なかなか面と向かって言えないんですけど、
いつかは言わなくちゃと思ってます

「お母さん、離婚して、私を守ってくれて有難う。」
あの時、あなたが私を腕の中で守ってくれたように、
私は、仲間を守りたいと思ってます

あなたと同じように強く、たくましくです

あなたから受け継がれました
ありがとう

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沙羅さんのお母様は沙羅さんの活動を間近で見ていて、何かを感じ話されたのでしょうか。
あの時代に離婚を決意し、沙羅さんを守り育てたお母様の強さ、優しさに感動しました。