FAKEです

公開日: 

今日は、仕事の合間に、夫と二人でサクッと今話題の映画
「FAKE」を見て参りました。

この映画当初単館上映だったのに、今や11館で上映、
しかもいまだに、館内満員御礼なんですから、すごいですよね。
私たちなんぞ、ギリギリに行ったものですから、
一番前の端っこという、実に観にくい席でみる羽目になりました。

でも、やっぱりこれだけ評判が評判を呼んでいるだけあって、
めっちゃくちゃ面白く、そして謎めいていました。

この映画、ご存知かと思いますが、
あの佐村河内守さんのゴーストライター事件のその後を追ったもので、
「佐村河内さんは、本当に耳が聞こえないのか?」
「佐村河内さんは、果たして作曲が出来ないのか?ゴーストか?共作か?」
という2点の謎に迫っていて、果たしてその真相は・・・
という映画なのです。

そして「ラスト12分は誰にも言わないで下さい」となっていて、
実に、意味深な終わり方をするんです。
とにかくめっちゃ面白かった!絶対観るべきですね。

そして、この映画でつくづく、メディアの在り方について考えさせられました。
誰かの一方的な言い分、
つまりこの場合は、新垣隆さんと、ルポライターの神山典士さんなんですが、
そちら側が先手必勝で、ぱぁ~っと広めてしまうと、
マスコミがそれにのっかって、そちら側の主張だけが事実として報道され、
そして、相手側が何を言っても、もう誰も信じないという構図が、
簡単に出来あがってしまうんだなぁと思いました。

監督の森達也さんも言っていますが、
「たった一つの真実」なんてないんですよね。

で、この映画でつくづく思ったのは、
「難聴」を証明することって、実はとっても難しいわけですよね。
まさに依存症と同じです。

つまり少しでも聞こえたり、話せたりすると、
「本当は問題ないんだろう」「病気を利用しているんだろう」
と言われたりする訳ですね。
まさに依存症と同じ。
機能が一部分だけ壊れているという病気、
しかもそれを証明できない病気
そういう病気の抱える難しさについて改めて考えさせられました。

そして、その機能不全については、
なかったものにされて、人格否定に繋げられてしまう辛さ。
まさに依存症とメディアの縮図をみているようでした。

そして、親しげに、親切そうに近づいてきて、
簡単に裏切るマスコミの姿。
洗脳され、まるで暴徒と化していく、一般大衆。
社会から抹殺されんばかりの当事者。

これって佐村河内さんの問題だけじゃなく、
最近では小保方さんについてもそうですよね。
STAP細胞はあったと海外の実験で証明された
なんて近頃ネットでは流れてますけど、
そういったことは大手メディアでは一切報じられませんもんね。
そりゃあ自分たちであれだけ叩いていればバツが悪いですよね。

その中でも、実に信ぴょう性のある、
佐村河内さんにとっての助っ人役となるのが、
同じ難聴の問題を抱える方の証言なんですよね。

あのルポライターの方の、記者会見でのやり方は、
難聴の問題を抱える人たちに対しても失礼だと、
そして、佐村河内さんの難聴はこういうことですよねと、
ちゃんと解説して下さるのです。
やっぱり当事者の言葉は説得力があるんだなぁと実感しました。

この映画、依存症の当事者及び家族は絶対観るべきです。
依存症とメディアの扱いでも問題は共通することが沢山ありますから、
自分たちが何をやっていけば良いか、
可視化され参考になります。

まっ、そんなこと考えなくても、
実に面白いドキュメンタリーで、
アガサクリスティも真っ青っていう感じのラストですから、
是非是非見てみて下さい!

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