主催者の心構えと責任です

公開日: 

昨日のブログをアゴラさんに掲載して頂きましたので、
まだお読みになっていらっしゃらない方は、是非ご一読下さい。
完成!日本初!著名人向け依存症リハビリ施設(アゴラ)

この施設が完成し、こうして世に出せたことで、
とりあえず大きな事業が一段落してホッとしましたが、
それでもここからが本当の始まりになるわけです。

こうした大きな取り組みに参加させて頂くことで、
責任も増えるわけですし、何よりも安全第一で考えなくてはなりません。
その緊張感で、眠れなくなることもしばしばです。

この施設、依存症者特有の自殺などの対策に気を配るのはもちろんなのですが、
自然豊かなプライバシーに配慮した作りになっているので、
メリットもありますが、逆に自然対策も必要になるんです。
例えば、スズメバチの駆除などです。
スズメバチも刺されたら命に関わる場合もあるわけですから、
そういった目配りも怠るわけにはいきません。
身が引き締まる思いでいっぱいです。

さてそんな中、この2日間頭から離れない事件が、
「東京デザインウィーク火災死傷事件」です。
昨日仲間ともミーティングで話したのですが、
これほど衝撃的で、しかもこれほど防げたはずの事故はないんじゃないでしょうか?

誰が見たって、危ないオブジェ。
ツイッターでは、このオブジェの危険性を学生に問うたという方や、
以前からこのイベント主催者の管理体制のずさんさを指摘していたという、
関係者と思われる方の発信も有り、
これらを目にすればするほど、悔しい気持ちでいっぱいになります。

私、函館出張中に帰りの空港のTVでこの事故を知り、
すぐにネット検索をした所、ニュース画像がヒットして、
思わずそれを見てしまいました。

しかもその映像がかなり衝撃的で、
叫ぶお父さんと、焼死したお子さんが写りこんでいるような画像だったので、
あまりのショックに頭から離れなくなってしまいました。

この事件で亡くなったお子さんのご冥福を心からお祈りいたします。
ご両親のお悲しみはいかばかりのものでしょうか。
考えただけで苦しくなります。

また同時にこのオブジェを作成した大学生たちにも、
思いを馳せています。
ネットで散々叩かれておりますが、この大学生もまた衝撃を受けているはずです。
後悔してもしきれないことでしょう。
この重い事実を彼らは生涯背負っていくわけですから、
彼らの人生もまた、この日を境に全く別のものになって行くはずです。

私自身も、小さな団体の長をやっていたり、
様々なプロジェクトにも関わらせて頂くようになったことから、
この事件はとても他人事とは思えません。
主催者の責任を考えさせられています。

一番驚いたのは、ニュースの中で
「600ものオブジェを全部点検することはできない」と
おっしゃっていたことです。
「え~!?じゃあ誰も管理も点検もしてないの?」と、
逆にそこに驚いてしまいました。

この団体に関わる理事の皆さんをみると著名な方々ばかりで、
森ビルさんなど俗に言う大金持ちの方々も
関わっていらっしゃったようですし、
これだけ大々的なイベントを行えるぐらいなのですから、
資金は潤沢にあったはず。

安全点検要員のスタッフ位「やろうと思えば」
いくらでも雇えたのでは?と思いますが・・・
例えば、スタッフを30人雇って、20のオブジェを担当するとか?
その位なら、充分可能な安全対策で、チェックは可能じゃないでしょうか。
「不可能」と簡単に言いきってしまう所に、
このイベントの姿勢が伺われるような気がしてなりません。

それとやはりどこかに「31回も続けているイベント」とうことで、
慢心もあったのではないかなと思います。
人間「慣れ」ほど怖いものはないですよね。
「慣れ」が「手抜き」に繋がり、そこから「事故」に至った、
ということは、どんな企業や団体でも多かれ少なから経験していることではないでしょうか。

この事件で私は「何よりも安全対策だ!」と、改めて実感しました。
イベントは集客や話題性にばかり目が行ってしまうけれども、
本当の成功は「安全に終わること」これに尽きるとつくづく思いました。

小さな命の犠牲は、重すぎる現実です。
本当に辛い事件です。

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