IR誘致の地方自治体の皆様へ!です

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本日、IR誘致に名乗りをあげている地方自治体のセミナーに伺いました。
このIRは推進派の皆さんは、17年かけてやっと法案が通ったので、
ホッとされてる方も多いと思いますが、
今日のセミナーでも、反対派の方が意見を述べられているのを聞き、
これからがなかなか大変そうだなぁと思いました。

まず、名乗りをあげている地方自治体はあれど、
そこの地域住民が果たして賛成しているのかどうか?
これは大問題ですよね。

地元の議員さんだって、考えはバラバラでしょうし、
住民と直結している、地方議員さんは選挙民の意向を、
そりゃあ大事にされるでしょうから、
住民の大反対を押し切ってまで、議会で賛成するなんて、
ちょっと考えにくいですよね。

そもそもIRを推進している議員さんは、
殆ど誘致とは関係ない選挙区の先生方な訳ですし、
IRでひと儲けしたい大企業さんだって、
誘致先の住民ではない訳ですもんね。

となるとですよ、もちろん経済界の力は強いもんですけど、
庶民だって選挙権という武器がある訳で、住民が大反対となったら、
ごり押しは難しいですよね。
そう考えると、一体誘致先はどこになるの?
まだまだ暗中模索だな・・・と思いました。

カジノの誘致に手をあげてる自治体の住民の方で、
誘致に反対の方が、今すぐやった方がよいのは、
反対に賛成してくれる(変な日本語ですが!)住民を集めることですね。
数で対抗すれば勝つわけで、
政治家の批判とか、文句とか言ってても何も変わりません。
変えられるのは自分の行動だけですから。

また、賛成派、どっちでもよい派、
反対だけど賛成派が多くあきらめムード派・・・の方々は、
なるべく安全にギャンブル産業が地元に受け入れられるよう、
準備をしておいた方が良いです。

特に誘致をしたい地方自治体の首長はもちろんのこと、
地方議員の先生方、さらには県庁や市の職員さんは、
もう速攻で動き出さないと、ギャンブル依存症対策は間にあいませんよ。
また、誘致に名乗りをあげている、隣近所の自治体もしかりです。

東京は、小池知事の意向がまだ分かりませんが、
横浜が名乗りをあげることは間違いないようですから、
うかうかしちゃいられないですよ。
自分の夫がカジノに行く可能性は十分あるんですよ、東京都民の皆さん。
そして都議会の先生方はそのリスクをお考えですか?

あとは、大阪が手をあげるんですから、京都や兵庫だって、
きっちり対策始めないと、巻き込まれることは確実なんですから。
今すぐ「IRに伴うギャンブル依存症対策チーム」を、
立ち上げた方が良いです。

なんといってもですね、自助グループができやすいように相談会を開いたり、
相談員の人材育成や関係各所との連携を作らないといけません。
こういうことはとにかく時間がかかります。
3年~5年はかかると思った方が良いですね。

そして、とにかくやらなきゃならないのは、
なんと言っても「啓発」です。
行政は「こころの健康センターなどで相談やってます~」的なことを、
大抵の場合「=対策やってます!」と思ってらっしゃいますけど、
それは甘いも甘い大甘ですね。

住民が必ずそこに行きつくとは限らないんですから。
警察に相談する人、区役所に相談する人、保健所、病院、クリニック、
はたまた宗教や、学校の先生、塾の先生、様々な民間団体、
いのちの電話、ママ友、親類、弁護士、司法書士・・・
とにかく私の経験上、ありとあらゆる所に、相談する人は現れます。

そのファーストコンタクトで、命運が別れることも多々あります。
無知な素人アドバイスで、10年回り道したり、
家族がカルト宗教にはまってしまったり、
2次被害は枚挙にいとまがありません。

ですから、「住民全員が依存症の基礎知識を持つ!」
この位のつもりで取り組まなくてはなりません。

そして、もちろん悩んでいる人が顕在化してきたら、
自助グループに繋げられるよう、
様々な曜日、時間、県内の各所にグループが出来ている必要があります。
自助グループだけでは不十分ですから、さらに相談会やグループワークなんかも設ける、
特に、夜勤などの変則勤務の方々のフォローは必須ですね。

どうもこの辺のやらなきゃならないことが、
地方自治体の職員さん等に分かっていらっしゃらなくて、
「依存症を見てくれる医者」「相談窓口」を作ればOK・・・みたいに、
簡単に考えていらっしゃるのを見るにつけ、
「ホンマ大丈夫なんですか!?」と、こっちがカツを入れちゃうこともしばしばです。

マジで、IR手をあげている自治体の方の、依存症対策の動きが鈍すぎて、
めっちゃ心配してますから、是非、どんどんお問い合わせくださいね。
無料コンサル致しますから。

カジノができて、地元民の自殺が多発・・・
なんてなったら、経済振興なんて意味がなくなっちゃいます。
「カジノを誘致する自治体=最強の依存症対策を有した自治体」
でなくてはなりません。

IR法案可決で浮かれてるだけじゃダメですよ。
本気で誘致を狙う自治体さんは、
今から本気でギャンブル依存症対策に取りかかって下さい。
すでに遅い位です。時間がありません。
本気で心配しております。

今から対策作りに全力で取り組む気がないなら、
どうか誘致の手を下して下さいね。
人が死にますから。

この時点で「ギャンブル依存症担当者」も決まっていないような自治体さんは、
もうあきらめて下さった方が良いです。
どう考えても、充分な対策の土壌を作るのに間にあわないです。
まして勉強会を開いたこともまだない・・・なんて自治体さんはもう絶望的ですね。
是非ともおやめ下さい。
どうぞ宜しくお願い致します。

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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