最近の相談傾向です
最近非常に驚くことがあったのですが、
実は、年末読売新聞さんに、大きく私のことを取り上げて頂いたんですね。
その後、読売新聞さんのお客様係みたいな所からお電話を頂き、
「お問い合わせが多いので、年明けにギャンブル依存症問題を考える会の連絡先を、
「気流」という欄に掲載させて頂きます。」
とおっしゃるんですね。
有難いお申し出ですが、これには本当にびっくり致しました。
だって新聞社に連絡を問いあわせるなんて、
面倒くさいことをわざわざされる方が、
そんなに沢山いるってことなんですよ!
このブログを読んで下さっている方々だったら、
気になる記事の子引き、孫引きなんか、
パソコンかスマホでささっとやっちゃいますよね。
でもそうできない人達が、思った以上に沢山いる!
これは新たな発見でした。
そして、ふと思い当たる節があったのです。
というのもIR法案以来特にですが、
ギャンブル依存症がメディアにめちゃくちゃ取り上げられたじゃないですか、
去年の暮はものすごい取材数でしたけど、
それ以前、国会に初提出された2014年頃から、
かつてない位のメディア露出だったと思います。
また巨人軍の野球賭博事件や、バドミントン選手の闇カジノ事件等もあって、
その度に、ギャンブル依存症が取り上げられていました。
実は、これら騒動によって、情報が届いていなかった世帯にも、
少しずつ情報が届くようになったんですよね。
だから、どこに助けを求めたらいいのか?
そもそも助けてくれる機関がある・・・
なんてことに気がつけない世帯の人達が、
手助けに繋がれるようになってきたので、
最近の相談は昔に比べて、よりヘヴィなものが多くなっています。
深く進行し、にっちもさっちも行かなかった人たちが、
「助けて!」と蜘蛛の糸を掴むようになったわけですから、
当然と言えば当然ですけど、問題は深刻化していますよね。
最近は何が違うって、まず犯罪がらみの相談がとても多くなりました。
大体、不起訴、起訴猶予、執行猶予といった案件で、
実刑は少ないですが、逮捕はされている・・・
そんな状況で、連絡して来られるパターンが多いです。
私が、つながった13年前は、犯罪がらみなんて殆どありませんでした。
「逮捕された」なんていう話、相当希有なことで、
大抵の場合は、仕事もしているし、他に問題もないけれど、
ギャンブルの借金だけを繰り返している・・・というパターンばかりでした。
実は、13年前はネットでも今ほどギャンブル依存症などという言葉はHitせず、
それどころか家族向けの自助グループはHPすらありませんでした。
ですから、私のように検索でやっと医師につながり、
そこから自助グループに繋がったという、
いわば比較的情報をキャッチできる行動派しか、
支援に繋がることは不可能だったと思います。
ですが、最近では「検索する」ということが思いつかない人、
例えばガラケー世帯のお年を召したご両親が、
借金を繰り返し、ついに警察沙汰になった40代の息子の相談に来る、
なんてことが可能になったのだと思うんですよね。
しかしながら、まだまだ情報は行き届いていません。
むしろ必要な世帯に届いていないのです。
社会には悲惨なギャンブルがらみの事件は人知れず起きています。
以前アゴラさんにUPさせて頂いたこんな事件です。
祖父母殺し。懲役15年は妥当だったのか?
こういった、実の子供を路上生活にまで貶めてしまうような、
ギャンブル依存症の親、そして巻き込まれている家族を救うためには、
一般市民の誰もが「ギャンブル依存症」の情報を目にし、
手に取れるような状況にならなくてはなりません。
スマホやネットで検索する・・・それが当り前の社会などではないのです。
私は、有馬記念でやっていた、
柱巻き広告や、ラッピング電車広告、
はたまた新聞一面広告や、TVCMは、
ギャンブル産業側がギャンブルを宣伝するのではなく、
ギャンブル依存症の啓発にするべきだと思っています。
実際、シンガポールでは面白いCMがバンバン作られ流されています。
例えば、こんな感じ。
大学生に向けたコミカルタッチなCM
Don’t let gambling become a problem. Take action now.
父親がギャンブル依存症のシリアスタッチなCM
お父さんがサッカーワールドカップのスポーツベットで、
ドイツに全財産かけてしまったようです。
World Cup 2014 – Kick the Habit – English
そしてこれはシンガポール版「微熱」ともいうべきCM
ギャン妻の心情と、誕生日をすっぽかされる子供がよく描かれていて、
あぁギャンブラーの家庭は世界中どこも同じだな・・・と胸が締め付けられました。
Hope (English)
こういったアナログな啓発物を、日本はもっとバンバン作る必要があります。
情報が必要な世帯に、情報が行き渡るためにです。
そしてできれば子供たちが自分の親のギャンブル依存症に気がつく・・・
そこまでいって欲しいと思っています。
子供は親を選んで生まれてくることはできませんが、
どんな親の元に生まれても、日本国が君を守る!
そんな国づくりを、今から始めて欲しいと、
切に願っています。
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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト
[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)