性暴力被害者に対する心ないコメントです

公開日: 

本日、ジョン・カビラさんのこんな記事がSNSを駆け巡っていて、
カビラさんを大好きになったことはもちろん、
この60代、70代のクソ親父たちにヘドが出そうになりました。
ジョン・カビラ「娘が性暴力を受けたら『最後まで抵抗しなかった君が悪い』と言えますか」 視聴者の声に反論

こんなFAXを紹介するほうもするほうで、
「こんな意見がある」なんて紹介するべきではありません。
レイプ被害にあった女性が、このコメントを聞いたら、
どれだけ傷つくことか・・・

レイプ被害に会った女性は、大抵の場合
「自分が悪い」と思っています。
話しを聞いてみると、
「そんな状況だったら、絶対恐くてどうにもならないよね」
という事態なのに、
「自分が悪い」と責め、そんな自分を嫌い、見捨てているのです。

トラウマに苦しみ、依存症を発症したり、
リストカット他、自らを危険にさらすような行為を、
やめられない人達も沢山います。
そんな話を、何度聞いてきたことでしょうか。

性暴力の被害者のその後の困難な人生を知る者の一人として、
軽率に、被害に会ったこともない人間が想像で
「被害者も悪いよね~」
「死ぬ気で逃げれば逃げられたよね」と、
絶対に言うべきではありません。
レイプ犯は、やった方が100%悪いのです。

では「逃げられない状況」とは何か?

まず、恐怖で身体がすくむということもあります。
また、あまりに激しい暴力で、
これ以上抵抗したら殺されるとあきらめることもあります。
最初から罠を仕掛けられていて、複数の人間に押さえつけられ、
どうにも逃げられないという場合もあります。

けれども、そういった身体的に逃げられない状況だけでなく、
精神的に逃げられない状況といものが、
被害者女性達を追いやっているのです。

性被害にあった女性達の75%が「知り合いから」と答えています。
そう、この知り合いからの被害というのが、
精神的に逃げられなくしているのです。

例えば、未成年それも中学生以下位の子供たちが、
親や、兄弟や、親類に被害にあって、
「誰かに話したら、この家にいられなくなるよ」
と脅されたら、逃げ場なんてありません。
従うしかないのです。

また、中学生位の生徒が、同級生の被害にあったら、
その子の世界はまだ学校が全てです。
自分の居場所を失う恐怖があるでしょう。

さらにもし「誰かに言ったら、みんなにバラす」と脅されたら、
もしくは写真や動画を録られ、それをばら撒くと脅されたら、
逃げられなくなってしまうことでしょう。
そしていつしか被害者は、
「逃げなかった自分が悪い」
と思いこまされていくのです。

いえ、若い子ばかりではありません。
同様のことは、大人でも起こりうるのです。
顔見知りの男性や、男友達、職場の上司、
他には姉妹の夫などという場合もあります。
更には、被害者は女性とも限らないのです。

立場を利用したり、弱みに付け込んだり、
お酒の力や、薬物混入、暴力、
複数の人間による計画的犯行、
様々な「逃げれらない」状況で、
レイプは起きているのです。

そういった過酷な現実を知りもしない人達が、
安易なコメントを発し、それをTVで流すことなど、
絶対にやめて欲しい。

この日本で起きている、卑劣な性被害は、
そういった無責任な発言で助長されているのだと、
正しい理解こそ啓発して欲しいと思います。

「被害にあった女性も悪い」
「死ぬ気で逃げれば逃げられた」
と発言することは、
レイプ犯の肩を持ち、
同情や共感をしているのだということを、
どうかお忘れなく!

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