誰も僕を見ていない~17歳の少年は何故祖父母を殺したのか~オーサートークに参加です
昨年、アゴラさんに掲載して頂き、多くの方々に読んで頂いた、
祖父母殺害の17歳、懲役15年は妥当だったのか?
という記事があります。
まだお読みになっていらっしゃらない方に、是非ご一読頂きました。
私にとっても、これは忘れられない事件で、
小学校5年生から学校にも通わせてもらえず、野宿生活を余儀なくされ、
母親と義父に身体的、経済的、性的虐待を受けながら、
住民票も出していない妹の面倒を見させられていた少年。
そして16歳からは彼が働いて、母にお金を貢ぎ、
お金が尽きると「祖父母を殺してでも金を持ってこい!」と母に命令され、
本当に祖父母を殺害してしまった少年。
そして少年は懲役15年もの判決を受け罪に服しています。
この少年を周囲の大人たちが救うチャンスは何度もあった!
事件を振り返る度に胸がかきむしられるような苦しさを感じます。
本日は、この事件を精力的に取材され、
誰もボクを見ていない: なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのか
という1冊の本にまとめられた著者
毎日新聞の記者 山寺香さんのオーサートークがあり、
私も参加させて頂きました。
会場は満員で、知り合いの児童虐待に取り組まれている医師などもいらしていて、
この問題への関心の高さを感じました。
いつもお世話になっている、横浜さくらWorksの、
宮島さんに機会を頂き、私も発言させて頂いたのですが、
この事件まだ支援会が立ち上がっていないそうなんですね。
私と致しましては、是非支援会を立ち上げ、
関わらせて頂けたらなぁと願っております。
というのもこの母親、お金に対しものすごい執着を見せるのですが、
ホストやパチンコ、ゲームなど様々なものに入れあげているんですね。
母親にはなんらかの精神疾患があったのでは?と言われておりますが、
私は、その一つに依存症もあったのでは?と思っています。
で、この少年が獄中で気にかけているのは、
母親は近々出所するので、その際に妹と暮らすことになり、
妹が自分の二の舞で売春などをさせられ、
金づるにされるのではないか?
と心配しているんですね。
それは私も心配ですし、多くのこの事件を知る大人たちが、
心配しているのではないでしょうか?
ですから支援会を立ち上げ、この母親の回復サポーターの一人として、
関わることができないだろうか?と思っています。
ただそれはものすごく難しく、
様々なハードルをクリアしなくてはなりません。
現在、私もご家族の依頼で、服役中の依存症者にアプローチすることがありますが、
刑務所を出てきてから施設につなげるのは難しいです。
皆、いち早く自由になりたいですから。
更生保護施設や、定着センターなども本人が希望しなければ、
繋がってきません。
また、例え繋がってきても、仮釈放終わったら、さっさとどこかへ消えてしまう・・・
なんてことがザラにあります。
法的根拠も強制力もない中で、どうやってアプローチしていくのか?
大きな課題です。
それでも、何もしないよりは動きたい!
それほど突き動かされる、衝撃がこの事件にはあります。
著書の山寺さんも印税を少年の支援に充てるとのこと。
少年のことを良く知る山寺さんに、私にできることがないか?
是非伺ってみたいと思います。
問題が確かにある・・・と周囲の大人たちが気がつきながら、
まるで透明人間のように素通りされていく子供たち。
この少年の夢は、
「同じ思いをしている子供たちを助けたい」
ということだそうです。
少年は、出所してくる時には32歳。
もう少年ではありません。
でも、大人たちが責任を放棄し、過酷な環境を生きてきた彼に、
せめて大人になってから、希望を叶えるために、
赤の他人であっても、今度こそ大人たちが支えてあげるべきではないでしょうか?
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