ギャンブル依存症対策は地域連携だ!です

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今日は、週末の講演に向けて、資料作りをしていたのですが、
つくづくギャンブル依存症対策というのは、
地域連携以外やりようがないよな~と思いました。

例えばカジノができてですよ、どはまりした。
そりゃ一度や二度でそうそう依存症にはならないでしょうけど、
強烈に「面白かった!」って思った人はですよ、
もしかしたらインターネットカジノにハマっちゃうかもしれないし、
そのうち闇カジノに行っちゃうかもしれないし、
何が起こるか全く分からないわけですよ。

そもそもこの私ですが、
競艇の魅力には一発で取りつかれた!と言っても過言ではないです。
若い頃は、麻雀を相当やってたし、パチンコも若干やったことはありますし、
競馬なんか場外で馬券売りのバイトやってましたからね、毎日見てました。
それらも好きでしたけど、それほどハマらなかった。

でも競艇とカジノは、ほぼ一発ではまりましたね。
1回ではないかもしれませんが、
それでも数回で夢中になっちゃいました。

一体いつどこでハマっちゃうか分からないギャンブル依存症。
でも、回復し続けていくには、住んでいる地域に根差して、
回復し続けるしかないんですよ。

例えば、大阪にカジノができて、そこでハマった東京人が、
新宿の闇カジノに入り浸り・・・なんて普通に考えられますよね。
そしたらですよ大阪にカウンセリングセンターなんて、
ワンストップ型で作ったって、意味ないじゃないですか。

あと近県の人ですよね。
和歌山あたりの人が通ってハマったとして、
毎日カウンセリングに大阪に通うなんて無理です。
地域で回復するしかないんですから、地域資源づくりこそが、
ギャンブル依存症対策のかなめ石です。

でもって、その支援が多岐に渡る訳ですよ。
今日「ひぇ~!」ってびっくりしたんですけど、
こんなニュースがあったことご存知でしょうか?

収入印紙着服し転売、容疑の元コンビニ店長逮捕

なんと、コンビニで売ってる収入印紙を、着服転売で1000万円の横領ですよ。
コンビニって言うのは、我が家も母が店長やってたからわかるんですけど、
そんなに大金は残しておかないシステムになってるんですよね。
でも、まさかの印紙横領!
こんなの家族はたまんないですよね。

で、ですね、もしギャンブラーがとりあえず、自助グループや回復施設で回復して、
無事社会復帰したとしますよね。
もちろんずっと同じ職場で働き続けながら、回復する人もいますけど、
まぁとにかく働くようになった。
となったらですね、職場はやっぱお金を扱う職業と、
ギャンブル産業は絶対やめた方がいいと思うんですね。

だから、そういうこと雇用主もちゃんと把握してですね、
お金を扱う部署から外すとか、
ギャンブル産業だったら、現場と関係ない、
総務とか人事に配属するとかね、
なんかそういう配慮が欲しいわけです。
で、自助グループには必ず通わせるとか、
健康診断の際には必ずメンタルについてもチェックするとか。
職場ともそういう連携があったら双方安心ですよね。

あと、最近思うのは、やはりギャンブラーは回復しても、
すぐスリップ=再発する。
その滑りっぷりが半端ないなぁと思う訳で、
それは何故かというと、やはり金銭の埋め合わせの弱さと、
金銭管理ができないことにあるんじゃないかなぁと思うんです。
だからファイナンシャルプランナーさんと連携があるといいんじゃないか?
と思っているんですね。

それでこんなスライドを作ってみたんですけど、
張り切って社会復帰しても、こんな風になっちゃうパターンが多すぎるんですよね。

スライド1

でなんでかっていうと、やる気はあるんだけど、
管理能力とか計画性は全くないわけです。
そもそも、ギャンブルでストレス解消してたものを、
それを捨てて、しらふで生きていくわけですから、
最初からそんな色んなことできやしません。

できないんですけど、ギャンブラーはとんでもない金銭問題を抱えてますから、
やらないわけにはいかない。
最初っから社会復帰のハードルが高いんですよね。
だって働きだして、住民票動かした瞬間から、
様々な督促がドバドバ来るんですから。

税金なんか容赦ないですよ。
口座に給料入った瞬間に、全部差し押さえられたりしますから。
ホントそれで再びこけるって話をどれだけ聞いてきたことか。

まさにこんな感じ。
きりきり舞いのてんてこ舞いです。

金銭管理

家族だって、当事者の社会復帰を
「待ってました!」とばかりに、
「働け~!給料持ってこい!どんだけ私が苦労したと思ってんだ~!」
となりますからね。
そりゃ当然ですけど、その高いプレッシャーを一人で乗り越えるのなんか、
絶対無理ですよね。

我々自助グループでも、昔は、
当事者、家族、それぞれの自助グループのスポンサーが集まって、4人で
「プレッシャーリリーフミーティングというのをやって家計を見直す」
という時代もあったんですが、あれも善し悪しなんですよね。

なんせうちなんか夫の借金がどでかかったんですけど、
私も相当額稼いでいた時代だったんで、
こっちの収入がバレるというデメリットがあり、
なんか損した気分になり、こっちはこっちで買い物依存症を
派手に発症したりしました。

なのでやっぱり当事者・家族双方にサポーターがいて、
そして、金銭管理や返済計画を立ててくれるといいんじゃないかなぁと思うんですよ。
家計管理もプロの目を入れて貰う。
夫婦でやるのに差し障りがあれば、別々にやって貰う。
そういうきめ細かいサポートが必要だと思います。

こんなイメージですね。

スライド2

だからギャンブル依存症対策費は、多岐に渡るし、
そういう風に細かく使えるようにすべきだと思ってます。

間違っても、ギャンブル依存症対策費をですね、
どこかの団体に権限やお金が一点に集中するような、
そんなシステムにしては絶対にいけません。
一点集中、ワンストップ型は、利権を産むだけ。

ギャンブル依存症対策というのは、どでかいシステム導入とか、
出玉規制のような、いっせいのせでやることより、
とにかく多岐に渡るパターンを網羅できる、
きめ細かいサポート体制作りの方が効果があると思うし、
その方がコストも抑えられるはずです。

私だけでなく、みんな様々に「この支援が必要」と思っているわけですから、
そういったそれぞれがいいと思う支援ができるように、対策は制度設計しないとダメです。
それが隅々まで支援が行き渡るコツです。

例えば、離島支援なんかをなさってる団体があれば、
その方々に、是非ギャンブル依存症対策もやって頂きたいです。
時々ある、離島からのSOSには本当に心を痛めてます。
支援のリソースが全くないですから。

民間回復施設、民間支援団体、家族会だけでなく、
クレサラ対策、自殺対策、児童虐待、母子支援、父子支援、就労支援、発達障害支援、
金銭管理支援、介護支援、生活困窮者支援、生活保護、
はたまたトラウマの回復、虐待からの回復支援などなど、
ギャンブル依存症に関係する支援は沢山あります。
そういった人や団体が、使いやすい助成制度を作って欲しいです。
そして、そのための財源を確保して欲しいです。

公平かつ透明性のあるギャンブル依存症対策を考えたら、
行きつく先は「地域連携」。
どう考えても、それしかないと思っています。

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
ギャンブル依存症対策を求める10万人署名プロジェクト

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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