1/28シンポジウムにおける松本俊彦先生のまとめの言葉です

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昨日、ゲーム依存に付いてブログを書きましたが、
ゲーム依存です
これから依存症の予防教育をすすめていくにつれ、
厚労省と文科省の連携は欠かせないものとなっていきますよね。

ただ日本の省庁は縦割りですから、
これは簡単なようでなかなか難しいことだと思います。
となると民間レベルでの活動も大切になってきますが、
我々は学校講演はちょくちょく依頼がありますが、
いかんせん単発で、時間も短く、効果測定もできませんので、
効果的な予防教育を試行錯誤していくには、まだまだ難問山済みです。

ですから先日1/28に行われました、依存症普及啓発のシンポジウムが、
厚労省と文科省が連携して行われたことは、非常に先駆的取組みだと思います。
で、最後にパネルディスカッションが開かれ、
その一番最後で、松本先生が今回のパネルディスカッションでの総括を
まとめてお伝え下さったんですね。
このまとめの部分が非常に大切だなと思ったので、
いくつか箇条書きにしてご紹介しておきますね!

●依存症の支援に関してはいくつかの課題があるが、昔に比べれば公的な支援機関であったり、
民間のリハビリ機関も増えてはいるが、それらがばらばらに行動している感がまだ少しある。
もう少し対等な形で双方に交流しながら当事者が希望を持てるような、
「依存症から回復して本当に良かった」と思えるような仕組みづくりにはまだまだ至れていない。

●個々の支援機関で援助者の人たちは精力的にかんばっているけれども、バーンアウトしやすいところもある。
人的なマンパワーを確保していくことも難しいし、
一生懸命働く援助者が安心して支援に継続して没頭できるような、
経済的な担保のない中で疲弊していく現実もあるかと思う。

●教育に関しては「痛みをかかえた本人たちをどんなふうに支援するのか」という視点でぜひ教育をやってもらいたい。
薬物、ギャンブル、アルコール、さまざまな広範な依存症の問題に対してやってほしい。
その3つを教育の中で取り上げると、メンタルヘルス教育をやらなくてはならなくなってくると思う。
たぶん子供の時から生きづらさを抱えている子たちの多くが、親がメンタルヘルスの問題を抱えていたりすると思う。
でも、彼らはそれがメンタルヘルスの問題と分からずに、自分が悪い子だからと考えている可能性もあるので、
僕としては学校で保健福祉的にも大事な場所として、
文部科学省と厚生労働省が共同してなにか仕掛けていけたら良いと思ってる。

●依存症に関心がない方たちに、振り向いてもらうのか大きな課題。

●当事者たちが発信力をもっとつけていくことも、大事なことだと思う。
当事者の人たちもそういう動きをしていただければと思うし、国の方にもそのための資金的な担保をして欲しい。

●健康度の高い9割の子たちをサポーターにつける。
「なんかあの子悩んでそうだね」「なにかあるんじゃない?」「話聞くよ」と優しく声をかけてあげて…
そういう活動がもっともっとあったら良い。
友達たちにサポーターになってもらうための依存症予防教育、
「やばいものに手を出すな」だけでなくて、「悩んでいる人を助けてあげよう」という意味での教育があれば
将来、実を結んで行く。障害を抱えた人と一緒に共生できるような社会づくりの基礎を、
学校教育の中で作っていくことができると思う。

●単に「ダメ絶対」として問題を抱えている人を社会から排除するんじゃなくて、
問題を抱えている人に手を差し伸べて「一緒にやっていこうよ」というような社会を作ることが
長期的には依存症の予防に役立つと思う。

どうですか?
ものすごく簡単に、箇条書きでまとめたものですが、
我々の側が他所に説明する時の参考となることはもちろんのこと、
学校関係の方、行政のご担当者、そして政治家の先生方にも
是非読んで頂きたい内容だと思います。

拡散のほど宜しくお願い致します。

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
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三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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