「見たことない≠ない」です

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本日、与党のギャンブル依存症対策法案が提出されましたね。
無事に通って欲しい!
なんとか今国会での通過を祈っております。

子供に関するギャンブル依存症対策のことを言ったら、
「うちは何ともなかった」「そんな奴は見た事ない」と、けっこう言われたんですけど、
でも、これって昨日も言ったように、世界的にちゃんとエビデンスがあることなんですよね。
で、どこの国でも、依存症になった人には、同じようなことが起きてる、
だからこそ「病気」な訳なんです。

で、例えばシンガポールみたいに厳格に、
子供の目に触れるところに、ギャンブルのCMは一切流しちゃダメ!
宝くじに子連れで並ぶのもダメ!
なんて対策をとっている所もある。

だから自分の周りにはいなかったってのは、この世にそんな問題はない
ってことではないですよね。
つまり、「自分の周りにいない≠ない」です。

例えば難民問題だってそうじゃないですかぁ。
私もそうですけど、多くの日本人は、難民の人に会ったことってないと思うんですよね。
すれ違ったりはしてるかもしれないですけど、
実際に会ったり話したりはしたことがない。
だけど「ある」ってことは、ニュースでみたり新聞で読んでるから知ってますよね。

そして、そういう目にあっている人がいるのか・・・
と、聞けば心が痛くなりますよね。
私も、何でもいい!自分に何かできることはないかな?と思って、
本当にわずかですけど、国境なき医師団とアムネスティとユニセフに
毎月1000円ずつ寄付してます。

依存症問題も同じように、
自分の周りにはいないけど、そういう問題があるなら、
そういう目にあってる人達に何かできることを検討しないとね!
って思って貰えると有難いなぁと思うんですよね。

実際そういう応援してくれる人って今でもいますよね。
依存症者なんか周りにいない人達の中にでも、
この問題を新聞やTVで見聞きした方達の中に応援団が現れたりします。

この間も、ある業界誌でインタビューを掲載して下さったんですけど、
その方も「パチンコでそんな悲劇が起きてるなんて全く思わなかった」って、
最近のニュースで気が付いた!っておっしゃってたんです。

その方は昔のパチンコのイメージがあって、
「パチンコは娯楽の殿堂だと思っていた。」って、
「パチンコを借金してまでやる人がいるって思わなかった!」
っておっしゃるんですよ。

むしろこっちがびっくりしますよね~。
へぇ~本当に自分の周りに、全然そういう該当者がいない人ってこんな感じなんだな~!
って気が付いたのと、そして有難いなぁって思いましたよ。
そういう方が理解し、応援して下さるんですから。

全然関係ない業界誌で取り上げてくれるなんて、一番ありがたいですよね。
だって全く手つかずのところに啓発できるんですから。

でも、何故この依存症問題は、なかなか進まないし、
同情もされないし、こういった一部の理解者以外、
多くの人達の想像外なのか?

それはもうひとえに「顔がないから」です。

私たちは、難民の子供たちの映像を見たら、胸がふさがれ苦しくなりますよね。
「何かやりたい!」いてもたってもいられなくなります。

またこのところ大躍進をとげておられるのがLGBTの皆さんですよね。
東京都はLGBTの新たな条例まで作ると言っています。
何故ならLGBTは多くの方々がカミングアウトし、
社会における自分たちの不都合を訴え、理解を促されましたもんね。

でも依存症者とその家族の多くは、陰に隠れている。
前面に出てくるのは「医者」とか「弁護士」で、
時々メディアに出てきても、犯罪者のように顔が隠され声を変えられているわけですよ。

私は言いたいですね。
回復した依存症者とその家族こそ、他人任せにしないで堂々と出てきて欲しいとね。
自分の家に何が起きたか?
自分の子供たちにどんな影響があったか?
そしてどんな結末になったのか?

こそこそ隠れてないで、社会の理解を得るように努力しようよ!と。
いるんだかいないんだか?困ってるんだか、自業自得なんだか分からない人達に、
社会の理解なんか得られない。
それで手だけ差し伸べろ!理解しろったって無理な話なんだってことに、
こっちの側も気がつこうよ!って思ってます。

特にその意識が一番低いのが、ギャンブルだと思ってます。
アルコールは断酒会さんが顔出し実名でガンガン活動されてます。
薬物だって、ダルクの皆さんがバリバリ活動しておられます。
ギャンブルだけですよね、そういう社会貢献や社会運動に著しく遅れをとっているのは。

確かに「ある」と思って貰えるのは、そこに「顔がある」ことですよね。
「あぁ普通の人達なんだ」って思って貰えること。
そして「こんなに沢山身近にいるんだ!」って思って貰えること。
当事者より奥さんとか、何よりも子供たちに影響がいくんだ!って知って貰うこと。
そういう現実は、話さなきゃ分かって貰えないですよね。
そして端的に、分かりやすく話せる訓練をすることですよね。

どうしても顔が出せない人は、裏方の手伝いをしたり、
活動費の協力をしたり、
やれること、あと1歩できることってあるはずです。

我々の様な当事者・家族・支援者・理解者がいる半面、
私たちのことを、理解してくれない人、敵視し、攻撃する人は、
これから先も間違いなくずっといます。
それはどんな問題もそうだから仕方がないです。
そこはもう変えられないですよね。

でも、多くの人は「興味がない人」なんです。
だからその人達に理解して貰う努力、
協力して貰う努力、少しの負担をお願いする努力、
感情はついてこなくても、社会の安全のために譲って貰う努力、
それがこれからの私たちがやるべきことだと思ってます。

ふんぞり返って、何もしないで
「社会の理解がない!」
と言ってても、そりゃ当たり前だろ!と思います。

全ては自分の問題で、自分の中にある。
私たちのプログラムの本質ではないでしょうか?
行動なきたわごとは何の役にもたたないですよね。

私たちは、敵視する人を変えることができないです。
だから興味のない人達に、興味を持って貰いましょう~。
あと一歩ずつ、頑張ろうよ!

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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