ギャンブル依存症の特徴です
最近、いろんなところで12STEP以外の当事者プログラムに関わることがあり、
やらせてもらうと面白くって仕方ないのですが、
テキストで目立つのは「アルコール・薬物のパクリ」っていうものなんですね。
これはいかん!と強く申し上げたいです。
アルコール・薬物のテキストは、総じて感情よりなんですよね。
でもギャンブラーは、もうちょっと理屈っぽいところもないと響かないです。
脳の機能不全に陥る、病気の仕組みの解説のような感じですね。
あとですね「このテキスト作った人、絶対にギャンブラーの意見1ミリも聞いてないよね」
・・・というわかってないなぁ~系もあります。
あのですね~、ギャンブラーがギャンブルをやめられなくなっている時って、
「仕事以上に苦しい仕事」
といった感覚があるんですよ。
なけなしのお金をぶっこんで、絶対に取り戻さないとやばい!
と切羽詰まって、鬼気迫る思いで打ってる訳ですね。
だからギャンブルのテキストにはこの
「取り戻せる」幻想を解き放つものがないと絶対ダメです。
いいですか~、支援者の皆様。
アルコール・薬物でこの「取り戻せる」なんて感覚ないじゃないですか~。
飲んだアルコール、使った薬物を、取り戻すまで飲むとか使うとか、
そんなこと絶対あり得ないですよね。
でもギャンブルは「取り戻すまでは止められない」という強迫観念が
なんといっても強烈なんですよ。
それなのに、アル&薬のパクリテキストには、それがちっとも出てこない。
いやいやこの幻想をあきらめるプログラムがないと無理です。
ギャンブラーには実際、何度も取り戻した経験があるし、
もちろん勝ち続けることはできないと思っているんですけど、
あと1回大勝ちしたらやめよう!というのは、
絶対になくもないところが面倒な所なんです。
「自分では止められないことはわかった。
だからあと1回大勝ちしたら、GAでもなんでも行くよ。
でも今はダメなんだよ。」
こんな感じですね。
だからですね~、再発防止に、
「金銭管理をする」ってなことで、
家族にぎゅうぎゅうに締めあげさせるような、
そんなもう真逆のプログラムを見かけると、
「ぎゃ~!」っと叫びだしたくなります。
逆なんですよ。
ギャンブラーは金がないから、仕方なくギャンブルをやるんですよ。
もうね~依存症なんて全て常識の逆をいくのに、
その辺、ぜんっぜんわかってない人がプログラム作ってるんですよ。
お願いしますよ。そういう思い上がりは死人を出しますよ。
きちんと、当事者や家族の意見を聞いて作って欲しいです。
「大金を持ち歩かない」
確かにそれもあるでしょう。
でもそれ以上に、お金が全くない状態というのが、
再発の引き金になっちゃうんですよ。
だ~か~ら、家族が締めあげるようなことをしても無駄なんです。
むしろ逆効果だった!と家族の仲間は皆経験してます。
それから、還元率の話ね。胴元がテラ線何%抜いてるか?って奴です。
もちろんあれは全くギャンブルをやったことがない人には、
予防にはなると思うんですけど、
あれを見せられても、あんま響きません。
だって負けるのは他の誰かで、勝つのは自分と思ってますから、
胴元が勝つ!なんて分かってんですけど、俺も勝つ!と思ってます。
ギャンブラーはギャンブルにとらわれてんだか、お金にとらわれてんだか?
自分でもよく分からなくなります。
ここがややこしいところなんですよ。
だからと言って、金銭感覚っぽい話しをされてもピンとこないんですよ。
だって、確かにギャンブルにはバンバン使いますけど、
他はものすごい質素ですからね~。
むしろ「すてきな奥様」に出てくる奥様より、節約上手だったりしますから。
「やればできる!」と思ってますよね。
とにかくカギは、お金へのとらわれであり、取り戻せる幻想であり、
ギャンブルはお金を作る手段!という認知のゆがみなんですね。
とんでもない金を使ってしまったけど、
それを取り戻す術はないこと、
そして今ある大量の借金は、コツコツ返していくしかない事、
これらを受け入れるプログラムがないとダメなんです。
色々、詳しく書きたいですが、とてもじゃないので書ききれないので、
どなたか私と一緒にクリニックや行政でやるプログラム作って下さいませんか?
その方が話しが早いと思います。
宜しくお願い致します。
ブログ是非応援して下さい!クリックでランキングがあがります。
にほんブログ村
依存症 ブログランキングへ
現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!
[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)