ギャンブル依存症と金銭プログラム(家族編)です

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昨日の、ブログ色々な方にご好評いただき、そもそもGAやギャマノンといった自助グループで、
プレッシャーリリーフミーティングのような、金銭管理の話し合いをスポンサーシップでやっている、
という事が知られていないんだなぁとわかり、こちら側の発信も足りないなぁと思った次第です。
まだお読み出ない方、是非ご一読下さい。
ギャンブル依存症と金銭プログラムです

さて、本日はギャンブラーの家族、
特にギャン妻の金銭プログラムについて語りたいと思います。
ハッキリ言ってこの人達の人生は、マジで苦難の連続となります。
何故なら、夫婦同時に回復の道に繋がる・・・なんて奇跡は殆ど起こらず、
大抵の場合は、妻が先に回復し、夫の回復にはタイムラグがあるわけです。

その間は、忍耐の連続ですし、場合によっては別居などもありうるでしょう。
そして更には、やっと回復のチャンスが来た!となって、
夫が施設に入寮する!なんて事もある訳です。

そして、やっとのことで回復のレールに乗ったとしても、
そこから3年~5年、親族などにも返済があれば、更にそれ以上、
延々と借金返済が続く訳です。
そして、大抵の場合子供はどんどん成長していくので、お金がどんどんかかるようになります。
場合によっては、赤ちゃん誕生!なんてこともあります。
考えただけでも、お金に余裕が生まれる時が来ないですよね。

で、ですね、ギャン妻たちは金銭管理しっかりしているか?
と言ったら、全然そんなことはありません。
大体ですね、ギャンブラーと結婚している位なんですから、
バランスが悪いんですよね。
めちゃめちゃ変な所でケチケチしていて、どっと大金を失う!みたいな、
そんな生活をしています。

ケチケチしているようで、大ざっぱ・・・そんな感じですね。
で、あんまりきっちり家計簿をつけたりするタイプでもありません。
むしろそんな人見た事ないくらいです。
だから家計簿つけろ!といっても続かないですね。

なので夫が回復し始めて、とにかく借金返済なんとかしなくちゃね!
って時には、ざっくり家計簿つけて貰うんですね。現状把握のために。
私も書きだしたりしましたよ。
でも別にそれを一生やり続ける必要もない。
とにかく今はちょっとつけてみよう!って感じですね。

ここで要注意なんですけど、これは思った以上に辛くしんどい作業です。
自助グループでやってる、プレッシャーリリーフミーティングもそうですけど、
失ったものを直視するのって、ものすごく具合が悪くなります。

だから、これをやるなら絶対に家族はある程度回復してからです。
現実を直視しても受け止められる、心の体力をつけてからです。
そして、できれば夫も回復して、第3者も交えてやりましょう。
妻の味方になってくれる人、夫の味方になってくれる人、
それぞれを揃えて、やった方がいいと思います。

どうせ妻の方が先に自助Gや支援先に繋がっているでしょうから、
夫の回復を待ってる間は、とにかく自分が癒されておきましょう。
ここで12ステップの威力が発揮されるんですが、家族プログラムのあり方については、
盛りだくさんになりすぎるので、また別に書く事にします。

で、ですね、家族の金銭プログラムって、本当に苦難の道なんですよ。
しかも夫は借金だらけだけど、決して稼げないわけではないですからね。
収入はそこそこあるんだけど、それ以上に借金がどか~んとある!
これはですね、最も損なパターンで、公的な支援を何も受けられないんです。

どんなに「借金で貧乏なんです!」って言ったって、それは考慮されません。
保育園代も高いし、学費の無償化制度の恩恵も受けられないし、
家賃補助制度にもあずかれないし、児童手当も最低限しか貰えません。
このような腹立たしい状況下の中、綱渡りのような状態で家計をまわさにゃなりません。

そして一番の問題は、案外ギャン妻はがっつり働いていない人が多い事です。
世の中の人から見たら信じられない事ですよねこれ。
だって、夫が借金だらけなのに、妻が専業主婦だったり、パートしかしてない!
実は、こんな状況がゴロゴロしてるんですよ。

でも我々から見たら不思議でもなんでもありません。
だって自尊心低いんだも~ん!だからギャンブラーと結婚したんだよ~ん!
ってことになります。まさに「破れ鍋に綴蓋」なんですよ。

だから、家族支援の金銭プログラムはですね、
現実を直視する、こんなギリギリの綱渡り状態だとハッキリする、
だったら「がっつり働け!」っていう、今度はキャリアコンサルにシフトするんです。

ギャン妻は外で、正社員として働く事がめっちゃプレッシャーです。
夫への恨みも募る事でしょう。「何で私が・・・子供も小さいのに・・・」
と、となりの芝生が青く見えたりもするでしょう。
でも、この時点に来たら、多分そのプレッシャーは乗り越えられるはずです。

がっちりサポートしてあげながら、収入UPの就職の道を一緒に探してあげるのです。
ハッキリ言って、私はこの支援が一番、だいだいだいだい大っ好きです!
他の人は優しく言ってあげてるかもしれませんが私は、
「ギャン妻で、専業やパートなんて有り得ない!すぐに正社員の道、
もしくは今より収入5万UPを目指しな!」と、檄を飛ばします。

これこそが家族プログラムだと思っています。
プログラムとは机上の勉強なんかじゃありません。
「行動を変える」つまりは「プログラムを生きる!」ことなのです。
自分を大事にし、自尊心をあげたけりゃ、生存本能を脅かされてちゃダメなんですよ。
お金って大事な命綱じゃないですか!
だからお金の問題で「なんとかなる!」と自信をつけることは絶対に大切なんです。

「風呂にゆっくり入れ」とか「映画でも観ましょう」なんて、
自分を大事にプログラムでは言いますけどね、
明日の米代がないときに、自分を大事になんてできないじゃないですか。
風呂入りながら、映画観ながら、「お金どうしよう・・・」って、
心配事で頭ん中グルグルしてたらしょうがないじゃないですか!

だから、まずいざとなった時に「なんとかなる!」って思えるくらい稼ぐ事。
これは絶対絶対絶対に自信になるんです。
そしてその自信がついたら、セルフケアも有効に機能しますよ。
だってセルフケアに金も使えるようになるんですから。

そもそもギャン妻も、夫に何100万単位でかっぱらわれているので、
1万、2万の金をはした金と思って、自分がその金を稼ぐことに価値を見いだせません。
夫が、全額耳を揃えて、どっか~んと返してくれる日を夢見てるんです。
でも、現実にそんな日は来ない。回復しなけりゃマイナス続きだし、
回復したって綱渡り家計、それが現実なんです。
「それでもこの夫とやっていこう!」と思うなら、
その苦難を受け入れてもあまりある、夫には魅力的な良いところがあるわけじゃないですか!
だから腹くくってそれを受け入れるなら、自分で自分の生存本能を守るんです!

私そう思いましたよ。
「借金があっても、こんなに私と合う人は他に居ない。
絶対に別れたくない。やり直したいんだ!」ってね。
そしてその直感は正しかったし、今も貧乏ですけど、やっぱ夫と暮らして来てよかったです。
今も昔も嫌いになったことなんか一度もない、ずっと愛してます。

ギャン妻は、結構年くってたりするとそう簡単に就職できないし、採用試験落ちまくるでしょう。
でもキャリアコンサルはそんな事に動じず、
「大丈夫!いつかは決まる。不採用とあなたの価値とは関係ない!」
と堂々と励まし続けましょう。
だってそれが真実。書類選考や5分の面接で何がわかるんですか。
あんなもんは運以外の何物でもありません。
「あたしゃ、あんたを自信を持って社会に推薦したるよ!」
こんな感じですね!そうすると必ず決まります。

もうね~、就職勝ちとってくる仲間を見てると、
こっちが励まされ、嬉しくって仕方ないっす。
だからこの稼業やめらんないんだよね!って思うんですよね。
そしてあんだけ自信なくクヨクヨしてた仲間達が、
仕事でバリバリ活躍してSNSで海外出張の様子なんかUPすると、
「マジ惚れるぜ!」と、そのあっぱれぶりに憧れすら抱きますね。

また、同時に「安すぎる給料に甘んじている旦那」っていうパターンもあります。
こういうのプレッシャーリリーフミーティングで発見するとですね、
速攻、そこから転職活動にシフトしたりします。
大体、自助グループには世話好きの、しかも社会的地位のあるおじ様方がいるんですよ。
んで、ギャンブラーに任せとくと、なんにもしないからその場で我々が言って、
「ちょっと○○さんに、いくら以上稼げる就職世話してくれって今ここで電話してみなよ!」
なんて段取りを目の前でつけちゃって、転職させちゃったりってこともやっちゃいます。
仲間のネットワークとかパワーって素晴らしいですよ。本当に探してくれますから!

このように家族の金銭支援プログラムは、ちゃんと「稼ぐ!」こと。
いいですか、「稼ぎに勝る節約なし」なんです。
そしてプログラムとは「生きる事」。
人生は、テキストブックにあるのではない!のです。

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
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