2017年度ギャンブル問題があった殺人事件4件についてです

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先日、アゴラさんに2017年度版:ギャンブル依存症が根底にある事件数
について書かせて頂きましたが、
2017年版:ギャンブル依存症が根底にある事件数
当会の調査と照らし合わせてみて、警察庁のデータを改めてみたところ、
一体こういうデータってどういう基準で出しているのかな?
と、ちょっと疑問に思ったので、今日はそのことについて書いてみます。

昨年は我々が報道ベースで把握した、ギャンブルの問題が動機に見え隠れする
殺人事件が実に多く、なんと4件にものぼりました。
我々の様な、おばちゃんたちが報道でキャッチした殺人事件が4件ですよ。

これが例えば、今騒がれている児童虐待事件や、通り魔殺人事件だったらどうでしょう。
年間4件あったら、人々に相当印象深く記憶に残る年になりますよね。
ギャンブル問題があった事件も、こうして4件まとめてみると、
いかにこの問題が深刻かお分かり頂けると思うんですね。

では、どんな事件が報道されたかみていきましょう。

①調布市祖父殺人事件

これは、産経ニュースが詳細に報じており、まだ記事が残っているので、
リンクを是非ご一読下さい。
「クソじじい」「てか、眠くねぇ?」借金断られはさみで惨殺の孫は元ホスト「大虎小虎」 取調室では悪態(産経ニュース)

89歳の祖父の年金を度々無心していた23歳の孫。
仕事を転々とし、唯一の趣味はパチンコ。
犯行数日前に自分で稼いだ給料9万円をパチンコで使った後、周囲にカネを無心。
最終的に、祖父を殺害し、財布を盗んで逃走。
祖父の部屋からは現金数万円がなくなっていたが、
事件12日後に孫が逮捕されたときの所持金は15円だった。

②名古屋夫婦殺人事件

名古屋市の83歳と80歳の夫婦が殺害されて自宅で見つかった事件で、
近くに住む無職の男(42)が強盗殺人容疑で逮捕された。
容疑者は4日夕に南署に自首し、金に困りトラブルもあり 
事件直後にも「パチンコで負けた」と 話していたという。

こちらも、別の記事ですが産経WESTでも報じられました。
「普通の人」逮捕に驚き でも日中はパチンコ…名古屋の80代夫婦強殺

どちらも「無職で金に困っていて」「普段はパチンコをやっていた」と書いてあります。

③62歳母を殺害

どなたかがFNNのニュースを記事化したものが残っています。
母親を殺害した後に、お金を引き出してパチンコですよ!

62歳母を殺害 借金で口論

殺人の疑いで逮捕された無職男性(29)が、母親(62)の首を絞めるなどして殺害した容疑を認めている。
消費者金融にあった200万円ほどの借金について口論の末犯行に及び、
犯行後ATMで現金4万円を引き出してパチンコをしていたほか、ネットカフェで寝泊まりしていた。

④92歳父親、65歳息子殺害

これは「サンデーステーション」という番組で特集され、
記事化されたものが残っています。
92歳父、65歳長男をハンマーで殴打 『鬼畜』終了直後の報道に視聴者悲痛(しらべえ)

無職の長男は父の年金を頼りに生活していたが、ギャンブルでの浪費癖があり、
妻(被害者の母)が残した遺産300万円もギャンブルで失っている。
酒に酔いつぶれ、民生委員の男性に連れられて帰宅した長男をハンマーで殴り殺した。

当時のニュース画像はこちらです。
S__59383830

どうですか・・・どれも本当に痛ましい事件ですよね。
全ての事件にギャンブルによる借金問題が関わっています。
もし、このご家族や周囲の人達に、もっと早くに介入できていたなら
もしかしたらこれらの悲劇は避けられたのかもしれません。

ギャンブル依存症対策が、入場規制などの入口対策だけでは、
全然不十分なことがお分かり頂けると思います。

そしてさすがに4件をこうして並べてみると、
ギャンブル問題が治安の悪化につながっていることも
ご理解頂けると思うんですね。

で!ですよ、先日警察庁が発表した
罪種別:主たる被疑者の犯行の動機・原因が「ぱちんこ依存・ギャンブル依存」検挙件数
の詳細を、共産党の清水ただし先生が送って下さった一覧表を改めてみてみたんですね。

S__47816714

細かい字なので恐縮なんですが、
凶悪犯のところの「殺人事件」0件になっているんです。
え~~~~~~?????って思いませんか。

これだけ報道ベースでは、ギャンブルとの関係性が言われているのに、
警察の発表では0件???
ものすご~く、疑問ですよね。

じゃあ、この4人に対し、なんらかのギャンブル依存症のスクリーニングテストを行ったのでしょうか?
こうなってくると、警察庁の数字の出し方事態がはなはだ疑問で、
何をもって、主たる被疑者の犯行の動機・原因が「ぱちんこ依存・ギャンブル依存」と判断しているのでしょうか?

もしかしたら発表されている数字より、
実際はもっとずっと多いのでは?と勘ぐっちゃいますよね。
まさかとは思いますが、ぱちんこの管轄省庁である警察庁は、
監督責任をとわれないよう、極力数字が小さくなるよう工夫して発表しているとか?
そんな風に思っちゃいます。

一体何基準でこの数字を出しているのか?
この4件の事件は何故入っていないのか?
是非とも教えて頂きたい所です。

また、これら4件の事件の裁判の記録を読むことって、
一般人にはできないのでしょうか?
判決文は読めるとネットでは書いてありますが、
事件番号等詳細ががわからなくても、閲覧はできるのでしょうか?
もしどなたかご存知でしたら教えて下さい。

はなはだ疑問なこの事件数。
やはり我々は事件報道をコツコツと拾っていくことを、
続けていくべきだなと、改めて思いました。

マスコミの皆さんも、事件の背後にギャンブルの問題がある場合には、
どうかきっちりとその点について報じて下さい。
どうぞ宜しくお願い致します。

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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