愛されない生き物です

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私たち依存症者って、回復前は本当に愛されない生き物です。
大切な人を裏切り続け、自分や家族を窮地に落とす、
助けようとしてくれた周囲の人に、シニカルな言葉を投げては傷つけ、
他人も自分も決して信用できない・・・

そんな厄介な私たちのことを、
普通の人たちは理解できません。
できるはずがないのです。
何故なら、自分に起きている不可解な出来事について、
自分自身も理解が出来ないのですから。

「一体何故こんな風になってしまったのだろう?」
人生がいつからか上手くいかない事だらけになっていました。

そんな、依存症者の心情を見事に現わした映画に、
この度出会ってしまいました!
それは「ヴィンセントが教えてくれたこと」です。
皆さんに絶対おススメ!現在上映中ですので、
是非ご覧下さい。

依存症者を理解なさりたい方、
この映画をご覧になれば、バッチリです。

ネタばれしちゃうのであまり書けませんが、
私は、依存症者というのは、おそらく普通の人より、
感情の部分が傷つきやすくできていて、
が~~~~~~~んと、
なりやすいんじゃないかなぁと思うんですよね。

だからその感情を見ないで済む、
なんらかのハマれるものが必要だった。
主人公のヴィンセントはまさにそんな人で、
アルコールとギャンブルとニコチンの依存症者なんですね。

で、周囲の人皆に嫌われている。
でも、実際は・・・

あとは、映画を見てのお楽しみです!

ホント依存症者って面倒くさいです。
傷つきやすくて、さびしんぼう。
人生の試練に対して、普通の人が乗り越えられるスキルがないんです。
辛いことや悲しみに、どう生きたら良いのかわからず、
ハチャメチャなことをやって忘れようとしたり、
自暴自棄になったり、自己憐憫に陥ったり。

なんでそんなことするんだ!
なんでそんなこと言うんだ!
なんで同じこと繰り返すんだ!
周りの人からみたら不可解でならないですよね。
でも、違うやり方、違う生き方がわからないんです。

私も自分が不可解でなりませんでした。
子供の頃からずっと「自分は皆とどっか違う・・・」
そう思って生きてきました。

そんな要素があったので、依存症になったのも、
とってもうなずけますね。

人一倍、恐がりで、さびしがりやで、傷つきやすい。
よく依存症者のことを「ガラスのハート」と呼びますが。
つまり心の虚弱体質だったんですよね。

脳の中の感情をつかさどる「心」の部分の機能が弱い、
だからやたらめったら傷ついちゃう機能を補うために、
依存物質や依存行為を使ったんだよねって、
これが私のこの病気の感想なんですよね。

脳は神秘的です。
依存症という病気もまだまだ解明されていません。

でも一つだけ言えることは、
回復しない依存症者は、愛されない生き物でも、
回復した依存症者は、愛を取り戻した生き物だってことです。

少なくとも、私も人を心から愛し、信頼できるようになりました。
人を愛せるようになったら、愛されているかどうか心配することなく、
愛されていることを信じられる様になりました。

ヴィンセントにもそんなこと教えてもらいました。
良い映画です!ご覧あれ。

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