優先順位です

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昨日の失踪した当事者からのSOSに対する支援、
とりあえず入院にこぎつけましたが、
この度つくづくと家族支援の大切さを痛感しました。

家族が、自助グループや家族会に繋がって、
ある程度依存症の知識を持ち、共依存から回復していれば、
突発的なことが起きたとしても、
すぐにその時の最善の方法をとることができます。

ところが、家族に全然理解がないと、
家族自身の気持ちの拠り所がなく、混乱し、受け入れられず、
ただただ怒りと悲しみと嘆きに終始してしまい、答えが出ません。

また、早めにご家族が尻拭いを止めておかないと、
いざ施設へ!というチャンスが来た時にも、
経済的に破綻してしまって、
お金の問題で入寮することができません。

私の経験から、やっぱり「横領」「失踪」「ひきこもり」などの、
問題が合算するようなギャンブラーは、
やっぱり施設に入寮した方が良い場合が多いと思います。

ところがこういう問題が合算しているケースは、
ご家族も経済的にかなり追いつめられているケースが多く、
問題が重篤化しているにも関わらず、
経済的問題で、施設入寮が難しいとなってしまいます。

ですから、当事者の支援ばかりが取り上げられがちですが、
お金の問題に直結しているギャンブル依存症支援の優先順位は、
家族支援が先だと思います。
家族支援が行き届けば、かなりギャンブル依存症当事者を、
回復させることができると思います。

ギャンブラーだけなら、それほどギャンブルを続けられないですよね。
よっぽど稼いでいない限りは。
手助けを何度もする人がいるから、やり続けてしまうんですよね。

家族は、長年の混乱から、これまた優先順位が狂っています。
ギャン妻の場合は、さんざんお金を使われているギャンブラーに、
それでも尚、経済的に頼ろうとしたりします。

回復しなければ同じことを繰り返すだけなのに、
経済的な立て直しがまず最優先だと考え、
「馬車馬のように働いて今までの償いをしろ!
それだけ働いていれば、ギャンブルする暇もないはず!」
などと本人を責め立ててしまいます。

更に、私ががっくりと疲れるケースは、
例えば、失踪中のギャンブラーがどこかで見つかったとか、
本人からSOSがあった・・・などというチャンスが折角きたのに、
「じゃあ、すぐに一緒に会いに行って介入しましょう!」と言っても、
「仕事が休めないので・・・」などと言い出したりします。

ちょっとちょっと~と思いますよね。

会社はあなた1人が1日休んでも何の影響もないけれど、
家族にとって今日という日はかけがえのない1日じゃないですか!
って思うんですけど、混乱していると、
それがわからなくなってしまいます。

そして長年かけて依存症になってきたのに、
今すぐなんとか治したい!解決して欲しい!
これもすごく多いですよね。

「まずご家族が自助グループに通って下さい」
なんていっても、そんなまだるっこしい方法は嫌で、
今すぐなんとかしてくれる、
スーパーマンがいないか探し求めて、
さらに時間を無駄に費やしてしまったりします。

優先順位を見極めることは本当に大切です。
依存症は人の命がかかっているのです。
家族支援にはとにかく情報発信が必要です。
そのためには、社会の様々なお立場の皆さまによる、
広報を切に願います。
私たちもさらなる努力をして参ります。

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