韓国研修記~ギャンブル編~②です

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昨日は、韓国のギャンブルの現状を書き、
日本は韓国に状況がとても似ていることが、
お分かりいただけたかと思います。

でも韓国と日本は依存症に対する取り組みは、
全く違います。
韓国では、ギャンブル産業側から、
利益の0.35%をギャンブル依存症対策費として徴収されていて
その金額はなんと18億円となっています。

日本なんてですよ、本年度の厚労省からの依存症に対する予算、
アルコール・薬物・ギャンブル合わせたって1億円ですよ。
来年が1.9億円になるとか・・・
ひとケタ違いますよね。

そりゃあ、ないでしょう!と思いませんか?
変な話ですよ、アルコールだってギャンブルだって、
それこそ依存症者がどれだけお金払ったことか。
そのお金が、全然自分たちに関係のない、
国の財政に使われるのは良いですよ別に、
でも、もう少し、それが原因で病気になった人のケアや、
病気にならないような予防にお金を割いてくれても、
いいんじゃないでしょうかね?

・・・とまぁ日本の現状は置いておくとしてですね、
現状は、韓国は18億円使って、予防教育や、家族支援、
電話相談やカウンセリング業務なんかをやっている訳です。
それなのに5.3%の罹患率。
そう考えるとですね、やっぱギャンブルの種類が、
増えすぎてしまうと、罹患率は下げられないんでしょうね。
もしくは18億円位じゃ、全然足りないのかもしれないですけど。

そしたら、日本なんてお国は何にもしてくれないし、
ギャンブル大国だし、それで4.8%って、
かなり頑張ってるじゃん!って、
いや実際はかなりまずいことなんですよ・・・
でも、少なくとも韓国の18億円分の働きを、
どこかで誰かがやっているわけですよね。

そうそれはもちろん依存症に関わって下さる、
医療や行政、援助職の皆さまのお力は大きいですよね。

でも、もう一つ韓国でびっくりしたことがあるんですけど、
なんと韓国には民間のギャンブルの回復施設がないのだそうです。
えぇ~~~~~~!
これって、回復するためには、かなり致命的な問題かと思います。

よく韓国レポートでは「施設が8カ所ある」と書いてあるので、
これはてっきり回復施設のことかと思ったら、
私が視察に行ったようなセンターが8カ所あるということで、
グレイスロードのような、回復施設があるわけではないのだそうです。

考えただけで、難しいですよね、
だって、おうちにいられるのであれば、
底つきなんてできないのでは?と思いますし、
チャンスが来ても介入出来ないですもんね。

おうちに居ながら、カウンセリングを受けたり、
GAに行ったりで回復できる方も確かにいますよ。
でも、それだけでは回復できない方も少なく見積もって、
半数はいると言って差し支えないでしょう。

やっぱりなぁと思うんですけど、
「IRで法案が通ったら対策をやる」ってのは、
無理なんですよね。
それだけで罹患率が劇的になんて下がらないんですよね。

回復施設とか、自助グループとか、
そういった民間レベルで回復者の人材も充実していかない限り、
ギャンブル依存症は減りません。
それは急に出来ることではないし、机上で学べるものでもありません。

欧米諸国が、ギャンブル依存症の罹患率が低いのは、
やっぱり回復施設の充実があるとおもいます。
回復施設は6:4くらいの割合で、
回復者と専門職がいて、それぞれの役割を果たしています。
私もこのくらいの割合の回復施設が、
今後の日本の施設のあり方として理想じゃないかなと思います。

ギャンブル依存症のいえ依存症者の回復には、
同じ経験をした仲間のサポートが不可欠です。
援助職だけの関わりでは、回復させることが難しい不思議な病気なのです。
何よりも「共感」が大切なのです。

お金をばらまけば対策が充実するわけではありません。
お隣韓国が身を持って示してくれています。
私たちは、その姿から、多くを学ばせて貰い、
同じ轍を踏まぬようしなければならないと考えています。

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