依存症の家族に向けて・・・です

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今日は依存症者をもつご家族に向けて、
お願いと共に、少々苦言を呈する部分もあります。
是非、皆さんに聞いて欲しいです。

依存症者のご家族といっても、
そのご家族ごとにご事情が様々にあることも、
よく理解しております。
経済的に大変な想いをされているご家族も多いですよね。

そもそもギャンブラーのご家族の方は、
回復に繋がるまでに莫大なお金を使って来られていることも、
もちろん自分自身もそうですからよく理解しています。

但し、これまでどれだけ尻拭いをしてこようとも、
「だからもうお金がないんです。」ということで、
タダで確実に回復させて欲しいと言われてもそれは無理です。
現在のところ、そういう社会の仕組みになっていません。

生活保護費でと皆さん気安くおっしゃいますが、
生活保護費を自治体は安易には出してくれませんし、
それでは、施設がある自治体が潰れます。
そうなると施設を受け入れてくれた行政がバカを見ることになり、
施設設置が嫌がられ、どこにも行き場がなくなります。

更にギャンブル依存症は、アルコール・薬物とは違い、
行政にも全く理解されていません。
ギャンブル依存症だけで、例えば自立支援法の枠組みに載せることは、
非常に困難で、発達障害とか、うつ病などなど他の診断が必要だったり、
アルコールや薬物依存症との混合型にしないと難しいという状況にあります。

ですからなんとかグレイスロードが、ギャンブル依存症の先鞭をつけようと、
鋭意努力中ですが、今の所大変ハードルが高く難儀しています。
皆さん、これだけギャンブル依存症が話題になったのだからと思われるでしょうが、
現実は何一つ一歩も改善されていないというのが実感です。

例えば、グレイスロードの場合、
ニュースレターを2度発送しましたが、
アルコールや薬物の施設では認められる、
第三種郵便の許可すら取れません。

ギャンブル依存症での前例が日本にまだないからです。
山梨の精神保健福祉に関わる方々にご尽力頂いていますが、
ギャンブル依存症=精神疾患と認知されず、
厚生労働省で認められた病気との見解が、地方行政をはじめとする、
関係各所で共有されていません。

依存症者536万人と言われる、国民病でありながら、
後発であるギャンブル依存症は、
非常に困難な状況にあります。

また、行政を動かすと共に、
ギャンブル運営側からの協力も不可欠だと思っていますが、
それも全く進まないことは、
日頃のブログでもお分かり頂けるかと思います。

さて、こういった困難な状況の中、
依存症の家族は助け合い、痛みを分かち合いながら、
なんとかここまでやってきています。

家族の仲間の中には、
惜しみない協力関係を築いてくれる方々が大勢います。
今、ご自身の家族の中になんら問題がなくとも、
多額の献金を寄せて下さったり、
考える会の活動に積極的に関わってくれ、
労力を割いてくれる仲間の皆さん。

皆、プログラムの先にあった世界観を共有し、
苦しんでいる仲間のために、
惜しみない愛と援助を与えてくれます。
多大なる感謝の気持ちでいっぱいです。

けれども残念なことには、
視野が自分たちの恨みや恐れでいっぱいのままで、
止まってしまうご家族もいるのも現実です。

施設に預けてしまったら、
それで楽になってしまい、丸投げ状態の人。
ミーティングも行ったりいかなかったり、
いえ、全く行かない人すらいます。

自分の思うタイミングで、自分の思うように回復しないと、
怒りだすご家族もいます。

そしてなんといってもお金の問題。
ご家族をお預かりしていながら、
途中で「お金がない」と何度言われたことでしょうか。

私も、事情はよく分かります。
本当に困っている方もおられます。
でも人を一人預かるということは、
お金がかかるし、まして依存症からの回復がどれだけ大変かということも、
今一度ご自身のプログラムと共に受け止めて下さい。

そしてそのお金の問題が、本当にのっぴきならない状態なのか?
それとも単なる将来への恐れで言っていることなのか?

また、本当にどうにもならないことなのか?
それとも、例えばパートの時間を増やすとか、
正社員になるなどのことで解消できるのか、
などなど最大限の努力をご自身はなさっているか?
自問自答と共に、スポンサーなどとも話し合って、
頂きたいと思います。
私たちも最大限努力して参ります。

依存症は難病です。
誰一人なりたくてなった訳でもありません。
そして回復力はそれぞれ違います。
病気からの回復の治癒力も違いますし、
社会的なスキルの問題もあります。

そして正直、徹底的なイネーブリングを、
幼い頃からなさってきたご家族の場合、
回復させることは容易ではないことを、
ご自身の問題として受け止めて下さい。

「これだけなんでも支援してきて、
そう簡単に回復する訳ないですよね!?」と、
正直、爆発しそうになることは何十回もあります。

例えば、一度も仕事が長続きしたことがない・・・
などという人の場合、
皆さんに教育出来なかったことは、
こちらもそれだけ大変なのです。

かたずけられない
約束が守れない
朝起きられない
仕事の段取りが付けられない
無理な量の仕事を断れない
出来ないことを出来ないと言えない
法律を犯すことに抵抗がない
反社会的なものに憧れている
アウトローな生活がしたい
人間関係を構築できない
仕事のプレッシャーを乗り越えられない
お金の管理ができない
お金の収支がつけられない
面倒なことを根気よく出来ない
何でも周りのせいにする
などなどなどなど・・・・・

「ギャンブルをやめる」という当面の課題の他に、
沢山の問題を抱えているのが現実です。

そして自分たちを振り返ってみても、
私と夫が何故、自助グループだけで回復できたのか・・・
と考えてみると、
「親が頼りにならない人だったから」
という最大の恵みにぶち当たります。

そう、今思えば、最低限の保障はしてくれて、
お互い大学まで出して貰いましたが、
私も夫も、ほぼほぼ親なんか頼ってたら、
やりたいことは何一つ実現できなかったので、
その分社会で揉まれに揉まれ、スキルができたのだと思います。

でも残念ながら、そのスキルを得るチャンスがないまま、
大人になってしまった依存症者も多く、
施設に入寮して来る人たちは、やはりどこか愛情過多の
影響は大きいのです。
それはご家族を責めているわけではなく、
知らなかったのだから仕方ありません。

ただ、それを丸投げで、任せっぱなしのされたのでは、
上手くいきませんし、
ご家族には経済面で、支えて頂くしかありません。

施設入寮は難病の治療費でもあり、
心の教育費でもあります。

皆さん、難病の治療費だったら、
どう考えますか?

グレイスロードをよい施設に育てていくためには、
ご家族の理解は不可欠です。
ただ、私の努力不足もあり、
ご家族と想いを一つに共有できていない感を、
度々感じるようになりました。

すでに入寮者の皆さまにはご通知いたしましたが、
2/7に東京で第1回の家族会を開催致します。
グレイスロードのスタッフとの、
ケース会議をふまえ、皆さまに色々お話ししたいことがございます。

遠方の方には恐縮ですが、
午後の時間に設定しましたので、
よほどの理由がない限り、
皆さまにご参加頂きたく、
万障お繰り合わせの上お越し下さい。

またグレイスロード家族会というLINEグループも作りました。
まだ招待中のまま入って来られていない方はお入り下さい。
またまだ招待されていない方、ご連絡下さい。

さらにグレイスロードに入寮させたいとお考えのご家族様もいらしたら、
この機会に足をお運びください。
ご説明のよい機会になるかと思います。
事前にご連絡下さい。

グレイスロードに入寮されているご家族で、
このブログすら読んでいらっしゃらない方もいて、
あまりの他人事ぶりに、悲しくなることも多々あります。

ギャンブル依存症は、社会で認知すらされていないのです。
力をあわせて、皆で取り組んで行けたらと思っています。
どうぞ宜しくお願い致します。

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