【自殺対策強化月間】ギャンブラーの自殺についてです

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薬師寺みちよ先生のFBを拝見して、
3月が自殺対策強化月間だと昨日知りましたが、
この強化月間というのは、一体何をやっているのでしょうか?

イマイチ強化されてる感じもありませんが、
それなりの予算を使っていると思われますので、
更なる強化をお願いしたい所です。

自殺・・・
人の死はどんな死でも、大きな衝撃や悲しみを伴うものですが、
自殺ほど、残された人達を、罪悪感や後悔で苦しめる死はないでしょう。

残された誰しもが
「もっとできたことはなかったのか?」
「何故言ってくれなかったのだ?」と、
自責の念にかられます。

私も、この3年間で9人もの仲間の自死に出会いました。
30代~50代まだ若い人たちの死です。

特に、依存症者というのは、
そもそも幼少期に逆境や虐待の環境におかれていた人も多く、
自殺率も高いのです。

ここに当会理事の精神科医 佐藤拓先生が作られたスライドデータがあります。

jisatu _ページ_1

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どうですか、ギャンブラーの自殺稔慮、自殺企図が非常に高いことが、
お分かり頂けるかと思います。

薬師寺先生のFBから引用させて頂くと、
「本気で自殺したいと考えたことがある」
と答えた人は、08年の19.1%、12年の23.4%から増え続け、今年は23.6%。
とのことですが、ギャンブラーの自殺稔慮は、生涯経験率で言えば実に62.1%もあるのです。

私も、依存症を発症するずっと前13歳の時から、
毎日「死にたい、死にたい」と思って生きてきました。
むしろ「死にたい」と思って生きていない人ってこの世にいるんだ!
と、この世界に入って初めて知り、驚いたくらいです。

中学の頃が一番自殺願望が強く、
しょっちゅう自分で自分の首を絞めていました。
そして毎日、泣きながら日記を書くのが、一日の締めくくりでした。

その位、依存症者にとって死は身近にあります。
生と死の境目は、普通の人に比べてずっとずっと、
薄くて低いのです。
ほんの少しのはずみで、あっという間に死が訪れます。

だからこそ、先日も書きました毎日新聞さんのような記事は、
本気で腹が立つのです。
毎日新聞と高橋源一郎さんは人の命の重みを考えて欲しい (Yahooニュース)

いい加減な回答は、ほんの少しのことで死の壁を乗り越えてしまう、
依存症者とその家族には、まさに凶器となるからです。

私にとって、仲間の死は全て忘れられない衝撃でしたが、
その中でも、やはり自分が深く支援に関わっていた件は特に忘れられません。
今でも、毎日思い出さない日はなく、必ず一日の最後に、
自ら死を選んだ仲間の冥福を祈っています。

そして同時に当時息子と同じ6歳だった、
亡くなった仲間の息子さんである男の子の目から、
こぼれおちた大粒の涙と、
火葬場で、泣き崩れたお母様の姿がいつも浮び、
いまだに自分を責めてしまう自分がいます。

自死のお葬式ほど、ひっそりと行われ、
淋しいお葬式はありません。
それでもご家族は棺に向かって、
「穏やかな顔で、やっと楽になれたんだと思います」
と皆さんおっしゃるのです。

その時私は「すみません」と土下座したくなります。
実際、一度したこともあります。
もちろん私のせいではないとご家族は言って下さるし、
私も、頭では分かっています。
でも、そうでもしないといたたまれない・・・
自死には、そういう強い悲しみがあります。

親しい仲間が亡くなった時も、1週間ほど涙が止まりませんでした。
何をやっていても、淋しくて涙がでるのです。

ギャンブルで自殺する人を、ゼロにしたい。
この活動をしていて、それが一番大きな願いです。
親の自殺を、小さな子供たちに経験させたくない、
親よりも先に、子供が死んではいけない、
死なないで欲しい、何があっても、どんなにみじめだと思っても、
そこから生き抜いて欲しいと、強く願っています。

暗い話しになるけれど、
自殺対策強化月間にあたって、
ギャンブラーの自殺について知って頂きたく書きました。

皆さんどうか、ギャンブル依存症者とその家族を、
助けて下さい。
宜しくお願い致します。

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
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[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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