カジノな人達です

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IR推進法が通った際に「一年を目途に実施法」となっていたので、
そろそろIR実施法についても、色々噂が聞こえるようになってきました。

私も、各種団体やカジノのオペレーターさんとかに
よくヒアリングに呼ばれますけど、
時々カジノな人達って「危なっかしいわぁ~」と思って、
ひやひやしています。

そもそもカジノ関係者ってまず日本のギャンブル産業の人達とは、
全く概念が違うんですよね。
自分たちが営業するからには、ギャンブル依存症対策にも積極的に協力しまっせ!
という基本スタンスがあります。

ですから、自己排除プログラムとか、入場規制とか、従業員教育とか
様々な予防プログラムに取り組んでいますし、
それでも依存症になってしまう人達に対しては、
税金のような形で対策費を拠出しています。

「ギャンブル依存症?そんなの自己責任でしょ」と、
自分たちの儲けにしか目がなく、見て見ぬふりを続けてきた、
公営競技なんかとは、スタンスが全く違います。

こういう姿勢に関しては、私大歓迎ですね。
カジノ議論の高まりと共に、
「カジノと同レベルの依存症対策を既存ギャンブル産業はやるべし!」
となっていくことを望んでいます。

ただ、懸念すべきは、いかんせん「カジノをやりたい」
という気持ちが前のめりすぎて、
いかがわしい金もうけ目当ての団体でもなんでも、
すぐにお近づきになってしまうこと。
こんな風に貢献してます!とアピールしたくて仕方なくて、
それが逆に「大丈夫?ちゃんと分かってる?」
と不安をかきたてられています。

大体、日本の学会に相手にされない団体ほど、
海外との連携をアピールしまくりますからね。
海外の方々、細かい日本の事情なんか分かんないですから。

何度も申し上げておりますけど、
依存症対策は地域連携でやるっきゃないです。
アルコールがそういう方向性で進んできて、
対策のすすめ方が見えてきた現在、
ギャンブルもそれを踏襲してくっきゃないです。
その上で、アルコールとは違う部分を補っていく必要があります。

それに私も、今よりももっと未熟な頃は、
「自分たちが頑張っていけばなんとかなるんじゃないか?」
と思っていましたけど、やっぱ日本は広いし人口も多いわけで、
とても一団体がどうにかすれば何とかなるという状況なんかではない!
ということを、実感するようになったんですね。

そして様々な視野の支援があって、
私から見ると「それ効くの?」って思うことでも、
ちゃんと回復する人がいたり、
逆に「りこさん、それどうなの?」って言われることでも、
「なんか上手くいっちゃうんですよね~」ってこともある訳じゃないですか。

だから支援に関わってる人達に、公平に補助金や助成金が行き渡るべきだし、
後ろに癒着や、幹部の贅沢三昧な暮らしが隠れているような団体ではなく、
透明性のある団体に援助が行き渡るようにならなくちゃダメですよね。

ところがカジノの関係者というのはこの、
公平性とか透明性とかが分からないというか、
理屈としては分かっても、見分けがつかない訳ですよ。
だから時々小耳にはさんだり、HPなんかみてると、
「この団体と関わっているのかぁ~」
と暗澹たる気持ちになったりするんですよね。

ホント家族や支援者が食い物にされるような団体とくっつかないで欲しい、
急ぎたいのは分かりますけど、ギャンブル依存症対策の基本法の行方を見守り、
その上で与えられた役割を果たして頂きたいし、
今は慎重に振舞って欲しいというのが切なる願いですね。

やっぱ、産業側に対策費を税金の形で拠出して貰って、
産業側のお金とは分からないよう皆が使いやすいお金にして、
対策費を使っていくのがいいんじゃないですかね。

そして日本の隅々にまで対策を行き渡らせるっていうのが、
実際問題現実的じゃないでしょうか。
その形しかやりようがないですよね。

ですから私はこういうことを今一生懸命、
カジノの関係者の方々を含め、
色んなところで「依存症対策は地域連携でやるしかない!」と、
お話しさせて頂いているんですね。
大体皆さん「なるほど~」と納得して下さいますよ。
だってそうでしょ、公平かつ透明性があるじゃないですか。

だから「うちに任せろ!」「うちの取り組みこそ素晴らしい!」
なんてことをしきりにアピールする団体は怪しいと思って欲しいです。
大体、この肝心かなめのギャンブル依存症対策法案ができるかどうかの瀬戸際に、
産業側からお金貰っちゃうようだったら、信用がた落ちですからね。
今、まともな団体はそんなことしないです。

まともな団体は、「自分たちでできることは限られている」と、
謙虚に理解しているはずです。そして
「自分たち以外にもこの取組みに頑張っている人達はいる、
だからそういう人達みんなに、必要な資金が行き渡る仕組みを、
力をあわせて国に働きかけよう!」
と真摯に思うはずです。

今は、国に仕組みを作って貰う大切な時期です。
カジノの人達の、あせりは禁物です。
大きなビジョンを描いているのですから、
私たちの取組みや願いを、どっかの抜け駆け団体と手を組み、
台無しにしないで頂きたいと思います。

そしてみんなで大同団結して
「ギャンブル依存症対策基本法案」
中味のあるよいものに致しましょう。

今が、正念場です。

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
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[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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