テレ朝女性記者を守れ!仕事とセクハラのはざまで・・・です

公開日: 

財務事務次官のセクハラ騒動ですが
これに対し、麻生大臣やテレ朝のまずい対応もあって、
今や日本は大騒動となっています。
何故、男たちには、この女性の気持ち、恐怖や悔しさが分からないのでしょうか?

実は、私もある大企業に勤めていた頃、同じような経験がありました。
その課は、若い女性が8人、おじさんがおよそ10人。
そしてパワハラでセクハラの課長が1人いる課でした。

その課長は、課内の全女性のスケジュールを把握していないと気が済まず、
女性達に少しでも彼氏の影が見えたりすると、
「あいつは男に浮かれて仕事をする気がない」などと因縁をつけ、
その女性から、全ての仕事を取り上げ、みせしめにするような人でした。

ですから、課長から飲み会などに誘われた日には、
どんなに予定が入っていても、絶対に断ることなど怖くて出来なかったのです。
皆さん、考えてもみて下さい。当時は携帯やメールなどない時代です。
妙齢の女性達に彼氏がいないはずがなく、社内恋愛をしていた人なら、
こっそりどこかの内線から、デートのキャンセルも入れられますが、
連絡が取れない外部の人と付き合っている場合は、泣くなくすっぽかすか、
課内で居場所をなくす覚悟で、男をとるかしかないのです。
しかも仕事の残業ではなく、課長の飲みに付き合うためにです。

そして、実際飲みに行くと、セクハラの嵐。
私生活を根ほり葉ほり聞きたがり、
挙げ句の果てには一人暮らしの女性の家まで「送っていく」と言い張り、
アパートにつくと、「水を飲ませてくれ」と上がり込もうとする始末。
当然断ると、次の日から会社でパワハラが始まるのです。
でも当時は「ハラスメント」などという言葉がない時代で、
私たちは、泣き寝入りするしかありませんでした。

私は、要領がよいので、適当にうまくやってはいましたが、
いじめにあっている他の女性社員、それを見てみぬふりをするばかりか、
課長に女子社員の予定を告げ口までするおじさん社員に我慢がならなくなり、
ある日、こっそりと課内の女性達を集めました。
そして「このまま泣き寝入りはやめよう」ともちかけたのです。
もちろん女性達は私に賛同してくれました。
そして、どこにどう持ち込むか?部長か?人事か?組合か?
散々悩みましたが、やっぱり部長に言おう!ということになったのです。

この時の恐怖は忘れられません。言いだしたことを後悔しそうにもなりました。
相談した際に、部長はどう反応するのか?全く分からなかったからです。
課長に「気をつけろよ」程度の注意で終わってしまったら私たちは地獄です。
何よりも私は難関を勝ち抜き、憧れの本社に異動して来たのであって、
やっと掴んだポジションを手放したくはありませんでした。
ですからこれはイチかバチかの賭けでした。

私たちは、課内の男性社員が全員帰るまで、息を殺して女子更衣室で待っていました。
そして、なんとかこっそりと部長を捕まえることに成功したのです。
私たちの話を聞くと、部長は苦虫をかみつぶしたような顔をしていましたが、
「話はわかった。人事部長と相談するので、しばらく待って欲しい。」と言われました。
そして次の日、課長は人事部長に呼びだされたのです。
戻ってくるまで、そして戻って来てからの課内の異様な緊張感に、心臓が飛び出しそうでした。

しかも私たちのこの行動は、あっという間に部内に知れ渡り、
「〇〇課の下剋上」と揶揄されたのです。
そして私たちも人事部長に一人一人呼び出され、
今のテレ朝の上司と全く同じく
「今、異動したらあらぬ噂で君たちが傷つくから、定例異動まで待ってくれ。」
と言われたのです。
そして私たちは、その異常な緊張感の課内で、なんとその後、数カ月過ごす羽目になったのです。
部内では腫れものに触るように扱われ、挙げ句、次の人事異動では課長だけではなく、
セクハラにあっていた女性達と、この訴えを起こした私も異動させられました。

定例異動なので、見かけは何事もなかったように事は収まりました。
けれども、次の移動先で私は「今度はおとなしく頼むよ」などと、
上司に嫌味を言われ、大変なショックを受けました。

あの頃、こんなくだらない男たちの下で、働かなきゃならないことが、
本当に悔しく、惨めでなりませんでした。
そして折角掴んだ、やりたかった部署での仕事も失ってしまいました。
事を小さく、つつがなく収めようとする男たちの連携をまざまざと見せつけられ、
若い女子社員など本当に無力だと、思い知りました。

私には、あのテレ朝女性が、品性下劣な男の機嫌をとらなきゃならない悔しさ、
仕事を失うかもしれない恐怖、その恐怖を乗り越え、告発するために振り絞った勇気、
それがとてもよく分かる気がしています。
「こんなことが許されるはずない!」かつての私がそうだったように、
彼女もその思いで突き動かされたと思います。

今回のテレ朝女性の行動に対し、テレ朝の局長は情報を第三者に渡したことを遺憾とし、
女性にも反省の弁を述べさせたりしていますが、
「じゃあ、誰も助けてくれなかったのに、どうすりゃ良かったわけ?」と、怒りの気持ちでいっぱいです。
遺憾なのは、局長!お前のほうだボケ!

そしてさらに権力ボケしている麻生大臣や、財務事務次官には、
この騒動の問題点が1ミリも理解できないのでしょう。
自分を振り返ることなく、思いやりも想像力もない発言や最悪の対応を繰り返しています。

こんな人たちに女性が輝く社会など到底実現出来るわけがないと
暗澹たる気持ちです。

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