ギャンブル依存症の相談業務の必要事項です

公開日: 

この2日間、おきなわASKさんのお招きで沖縄に行って参りました!
おきなわASK

日本中どこでもそうですが、やっとギャンブルの支援が始まり、
援助職の皆様が「ギャンブル支援なにやったらいいかしら?」ってなことで、
ちょこちょこセミナーを開いて下さるようになりました。

そこで!本日は、ギャンブル依存症の相談業務を始める、
行政及び病院や社協さんなどの民間団体さんへ、
これだけは押さえて欲しいポイント!についてお話しします。

まず、何と言っても必要なのは
①お金の知識です。
こう言うと、弁護士さんらに相談者を丸投げしてしまう人がいます。
それはダメです、弁護士さんらは依存症のことを知らないか、
知っていても、介入の目線で動いたりできません。

必要なのは、本人の底つきを底上げするために、
家族はお金の問題をどうしたらいいのか?ということです。

立場が、親なのか?配偶者なのか?子供なのか?兄弟なのか?によっても、
全くアドバイスは変わってきます。

最低限でも、支援者が
自己破産、個人再生、任意整理の違いと、ブラックリストの正しい意味、
それから闇金の対処法については理解が必要なことはもちろんですが、
問題はこれら本人にとってのピンチをいかに家族が回復へのチャンスに繋げるか?
支援者というのはその個別の作戦が練れる人でなければなりません。

仕事の有無、財産の有無、配偶者・子供の有無などなど、
個別支援計画を立てるには、それら全部を見極めて、
まずなにをやればいいか?具体的に伝えられるようにならなくてはなりません。

②犯罪を犯した場合の対処法
ギャンブルに、横領や窃盗などの犯罪はつきものです。
そしてどのタイミングで家族が支援に繋がってくるかもまちまちです。
理想は示談金を支払う前ですが、その時にこの示談金をどう扱うか?
例えば「回復施設に入るのであれば、示談金に協力する。」など、
それぞれのケースに合わせて、計画を練る必要があります。

示談金を払ってしまっていたり、
逮捕後だったり、再犯だったりと、
相談に来るタイミングで対応は変わります。

③家族の財産計画
家族の財産をいかに守れるか?名義変更などの知識が必要になります。
あるいは、配偶者がパートもしくは無職の場合のキャリアコンサルこれが重要になります。
または勝手にカードを使われてしまった場合の返済計画なども考えなくてはなりません。
それから児童手当の守り方や離婚する場合なども、
どうやって配偶者が泣き寝入りせずにすむか?も具体的に教えてあげる必要があります。
繰り返しになりますが、案外弁護士さんは依存症の知識がなく、
杓子定規なことしか言わないので、丸投げはダメです。
むしろこっちが弁護士さんに教えてあげる位の感じになります。

④家族への動機づけ
家族も一朝一夕なんかで変われやしません。
下手すると、全然行動変容が起こらないのに、
毎月行政に相談に来たり、家族会に通ったりするパターンもあります。
そういう「今月の夫報告・息子報告」みたいなことをやって、
「でも、気持ちは楽になりました。」みたいなのってあんま意味ないと思うんですよ。
お互いの自律がゴールですから。

だから家族をきちんと自助グループに繋ぐ必要があります。
用意された場と、与える側になる自助グループでは、
家族の回復のあり方に雲泥の差があります。
そのことを行政や医療者自体に知って頂く必要があります。

⑤他の家族や周囲の人への介入方法
妻は苦しんでいても、舅姑に理解がないとか、
祖父母がお金を与えてしまうとか、
子供と夫が大喧嘩を繰り広げているとか、
職場の上司がお金を貸してしまうとか、
職場がギャンブル好きの集まりとか、
相談者さんとは別の周囲の人に介入する必要がある場合、
どう計画を練るか?誰が一緒に行って説明するか?どう切りだすか?
などなど、これも案外重要な問題になります。

といった具合に、ギャンブルというのはお金にまつわる様々なアプローチの、
知識と経験が不可欠です。
ですから是非、おきなわアスクさんでやって頂いたような、
支援者向けセミナーを各地でも実現して頂けたらと思っております。
皆さま、どうぞ宜しくお願い致します!

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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