ギャンブルコートの必要性です

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ギャンブル依存症問題を考える会では、これまで何度も
「ギャンブル依存症問題が根底にある事件を減らし、再犯防止をするためには、
刑罰だけでなく、治療にも繋げる必要がある。」ということを訴えてきました。

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現在、一部の弁護士さんと先進的な裁判官にはこの問題をご理解頂いていますが、
検察をはじめ殆どの人達が理解がなく、徒労感に見舞われています。

昨日も、そんな事件の情状証人に行ったのですが、
「ギャンブル依存症は病気なのだ!」といくら言っても、
結局の所「強い意志が必要だったんではないですか?」と、
十年一日相変わらずの精神論が飛び交い、
「むなしい・・・」との想いを強くして帰りました。

日本ではこれまでにも「ドラッグコート」の必要性が叫ばれてきました。
ドラッグコートとはその名の通り、薬物事犯に関する裁判所で、
裁判官・検察・弁護人・保護観察官・警察と
トリートメントサービスのコーディネーターやケースマネージャー等が関わって、
被告が薬物依存から回復するためにふさわしいトリートメントの方針を確定するんですね。

この「ドラッグコート」のドキュメンタリーをNetflixで見たことがありますけど、
裁判官もすごく知識があって、再発しても説教なんかしないんですよ。
再発しても「また治療する?」みたいな呼びかけがあって、
通院するんだか、施設に入寮するんだか言い渡していくんですね。

面白いのは
「今回あなたは仲間を道連れにした、それは見逃せないわ。今度ばかりは刑務所よ。」
なんて、再発でも色々なパターンによって、行き先が変わるんですよね。

このドラッグコート米国では1989年に設置されたのが最初です。
さすが依存症対策先進国ならではの取組みですよね。
けれどもその米国ですら、ギャンブル依存症対策は遅れに遅れていて、
米国でこれじゃあ、日本なんてどうなるの?と、
不安というか不満というかあきらめの境地にもなることがしばしばありますが、
この度ですねやっとニューヨークに「ギャンブリングコート」ができたんです!
Gambling Court

以前、来日して頂いて一緒にセミナーを開催した、
ネバダカウンシルさんから情報を頂いたのですが、
ネバダカウンシルの理事、ジェニファーさんもすごく喜んでおられました。

まぁ、こうしてやっと米国にもできたぐらいですが、
このギャンブル大国日本はですよ、ギャンブリングコートに関しては、
米国を抜くぐらい、可及的速やかに設置を広めて欲しいと思うんですね。

もうね、ホントこの国の依存症対策口ばっかなんですよ。
「しっかりやる」って、口だけで具体策はなんも実現しないんですから。
失望しかないです。

だけどね「意志の力」「家族の監督」「被害者の気持ちを考えて」
なんて浪花節で解決なんかしないんですよ。
刑務所からしょっちゅうお手紙もらいますけど、
ギャンブルだって前科10犯なんて普通にいますからね。
再犯率の高さは薬物だけじゃないんです。

昨日の裁判でつくづく思いました。
精神論と説教で回復したら苦労しないんだよ!ってね。
次の目標は「ギャンブリングコートの設置」だな~と思いました。
私の目が黒いうちに実現したいです!

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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