お医者様に依存症を伝えていないんです

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現在、東京以外に、長野、富山、大阪、福井、新潟で相談会を開催していますが、
この相談会行脚めっちゃ大変なんですけど、
やっぱやらなきゃならないというか、やればそれなりの成果があるなぁと思っています。

特に、ビギナーさんのご家族の相談を聞いていると、
マジで地方は情報が少ないなぁ・・・と思いますね。
もっと各県の精神保健センターさんは連携を強化し、
予算をとってさまざまなパターンで家族支援を強化してほしいです。

だいたいですね精いっぱいやってくれる精神保健センターさんで、
年に1回講演会を入れるって、せいぜいこのくらいですね。

でもそんなんじゃこっちもニーズがよくわかんないし、
聞いた方だって、1回くらいじゃなんもわかんないです。

相談会をやったり、事例検討会や、家族向けワークショップ
そしてなんといっても自助グループ、家族会との連携、
こういったきめ細かい支援をやって、やっと家族も一歩踏み出していける・・・
と、そんな感じだと思います。

とにかく家族の闇も深いです。
依存症はただでさえ回復しないですけど、
家族も病んでいる人ほど、変だと気が付けなくなっています。

それとなんといっても重複障害の多さに愕然としています。
地方ほど他の精神疾患の診断名が付いた人が多いのですが、
よ~く話を聞いていると、「依存症ということは医者に話してない」
という人が殆どなんです。

お医者さんに聞きたいんですけど、この状態でついた診断名って、
果たして正確なんでしょうか???
当事者もそして家族もビギナーほど、
ギャンブルの問題からこのような状況になっている・・・とわかっていない。
さらに経済的な事情もあって、
ギャンブル依存で働けなくなる → ウツなどで障がい者年金が貰いたい
→ ギャンブルをやっているというと叱られる → 障がい者年金が貰えない→だから黙っていよう
と思っているんですよね。

さらに、息子にさんざんお金を使われてしまって貯金がなくなった
→ 親も年金暮らしになった → 配偶者が亡くなる → さらに年金が減る
→ 子供の障がい者年金とあわせて自転車操業をしている → 離れられない
という悪循環も起きています。

こういう現実を見るたびに、依存症対策をやってこなかったツケが、
子供たちに社会負担費として回っていくのだなぁ・・・
と、暗澹たる気持ちになります。
そしてギャンブル依存症に対し、医療者はあまりにずさんじゃないでしょうか?

障がい者年金は、依存症者にとってもろ刃の刃です。
もちろん必要な人が受給できることは当たり前ですが、
回復できる依存症者が、それがあるために回復から遠ざかる
という現実もまたあります。
何よりも社会負担費の軽減という観点から言えば、
誰のメリットにもなっていません。

生活保護も同様で、負担費の増額から全体的に減額しよう!と、
またしてもそういう血も涙もない政策が、選挙が終わった途端とられようとしていますが、
依存症者が一時的に生活保護を受給することが必要だとしても、
生活保護受給とともに回復につなげているか?
行政がその工夫に尽力をしているのか?はなはだ疑問です。

相談の現場にいると、さまざまな声が集まってきて、
日本の現状に色々気が付いてきます。
私たちはこの現場の声を、行政や医療者にいかに届け、
良い連携を作っていくかを考えねばなりません。

ものすごく人手不足、資金不足の中、
こういったことまでやっていかねばならないことは、
とんでもなく負担なのですが、我々がやはり頑張るしかないんですよね。
だから頑張りますけど、是非、行政や医療者もご協力していただけたらと思います。
よい連携のモデルケースをまず作りたい!
こころから願っています。

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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