逃げ方が下手な人なのです

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最近、ぐぐっと取材が増えたのですが、それはやはりIR実施法が、
現実味を帯びてきたからなのでしょうか?

でもって、そういう取材を受けた時に良くいわれるのが
「現実から逃げるために、ギャンブルを使ってるんですよね~」
というもの。
この言い方は実に嫌いだし、誤解を招くのでやめて頂きたいです。

人間誰しもが24時間現実に直面なんかしてらんないですよね。
むしろ切り替えることは良しとされている。
誰だって、なんらかの逃げ道を用意している訳ですよ。

例えばそれが趣味だったり、お酒だったり、異性とのデートだったり、
読書や映画お風呂なんていうリラクゼーションもありますよね。
みんな上手に逃げながら、現実とのバランスをとっている訳ですよ。
だから色んなものに依存できる人は健康的な訳です。

ところが依存症を発症してしまうと、
いろんなものに依存していたものの一つに、ギャンブルがあったわけですけど、
いつのまにかギャンブルにしか依存できなくなってしまっている状態。
そしてやがては、自分に対し悪影響を及ぼし始めているのに、
やめられなくなってくる・・・
この状況になってくると、依存「症」となっているんですよね。

だから依存症のことを発信する人達、
メディアの方はもちろんですけど、時には医療者、コメディカルの方々も、
この辺の言葉遣いには細心の注意を払って欲しいですね。

何も依存症者が特別弱い人間で、現実から逃げようとしているわけではなく、
誰だって逃げて当たり前なのに、上手な逃げ方ができなくなってしまった人たち・・・
ですから、その辺のところどうか誤解なきようにお願いします。

人間、逃げなきゃ死んじゃいますよ。
常に努力をし前を向き続ける人なんているわけないです。
緩急あわせもって、進んだり、休んだりして生きていくわけですよね。

全ての動物がそうじゃないですかぁ。
喰ってくために頑張るけど、満腹の時は休む。
それを満腹の時に、食べもしない獲物を狩りに行ったりしないし、
常に闘いを挑んだりもしないですよね。
リラックスタイムを上手にとって当り前です。

私も、普通の人から見たらめちゃくちゃ忙しいですけど、
もちろん現実逃避の時間は一日のうちでいくらかはとりますよ。
長湯で毎日1時間ぐらいお風呂入ってて、
その間Youtubeでお笑いみたり、時には湯船で映画見てたりしますから。

だって上手に逃げられなくなったら、頭の中はギャンブルや買い物でいっぱいになっちゃいます。
完治した訳じゃなく、回復を継続しているだけですから、
常にヘトヘトになっていたら、どんどん現実が必要以上に辛くなるわけで、
そうなってくるとギャンブルや買い物に没頭して、
何もかも忘れるくらい何かにのめり込む必要が出てきちゃいます。

だから「ギャンブルに逃げる」じゃなくて、
「ギャンブルしか逃げ道がなくなる」であって、もっと言うと
「みんな上手に様々なものに逃げられているのに、
依存症を発症するとギャンブルしか逃げられなくなる。」
が丁寧な表現かなと思います。

くれぐれも誤解なきように、偏見を増長するような言い回しには、
ご注意ください。

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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