家族だけでは無理です

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昨日も、相談者の方からムカつく話を聞き、
「じゃあ一体家族はどうすりゃいいわけ!?」と、
怒り狂っています。

特に困っているのが薬物の場合で、
時々本人が暴れ出すことがあるじゃないですか。
そういった時に、警察を呼ぶ。
そして、場合によっては救急の人も来て、入院先を探してくれる、
でも、どっこも受け入れてくれなくて、なすすべなく、
結局そのうち本人が落ち着いてきて、そのまま家にいる。
ってな場合があるんですよね。

こういう時こそ、事態が動きだすチャンスなのに、
じゃあ、こう着状態で苦しんでいる家族はどうすりゃいいわけ?
と、腹が立ってならないですね。

確かに、ご家族も長い間こう着状態のまま動き出せないのには問題があります。
私も、そういう親御さんの言い訳を聞いていると、
腹が立ってくるので、言うべきことはハッキリ言います。

でもって、できそうな一歩をまず提案します。
よく家族会なんかで「家を出せ!」なんて提案がされますけど、
それってそんな簡単なことじゃないし、
家族もそんな提案されたって、途方に暮れるばかりです。

依存症の問題は、社会全体で取り組んで貰わなければ、
家族だけでなんとかしようというのは、
とても難しいです。

家で暴れている時に、介入してくれる人が誰もいない、
やっと病院に行こう!と説得しても受け入れてくれる病院がない、
なんとか病院で診察して貰っても、すぐに帰されてしまう。
そして元の黙阿弥。

こうして何年も途方にくれて過ごしたあげく、
依存症者が何か事件でも起こしたら徹底的に叩かれ、
そしてそういった報道から益々社会の受け入れ先がなくなる。
この悪循環の繰り返しです。

報道機関は、何か事件があれば必ずこう言います。
「何か、予兆はなかったのでしょうか?」

あった、何年も・・・と言いたくなります。
だけど、誰も助けてくれなかった!
そんなケースは腐るほどありますよね。

そこを我々、家族グループが支援し、
何ともならないところをなんとかしてるんですから、
本当にすごいと思いますね。

警察も、病院も、行政も、
誰も何ともしてくれないところを、
素人のお給料も貰わない、貧乏で苦労してる私たちが、
助け合って、どうにか施設に繋げたり、
場合によっては、自立の道をつけたりして、
なんとかかんとか、事態を良い方に動かしていくんですから、
まさに愛と勇気と奉仕の心がなきゃできないです。

アルコールだって薬物だってギャンブルだって、
私たち民間の力がなかったら、
どんだけ治安が悪化してるか分からないんですから、
もっと支援体勢の強化に力を貸すべきと私は思っています。

依存症を作りだしている産業側が、自分たちの負の側面に対し、
真摯に向き合う日は、この国では一体いつ来るのでしょうか?
そして私たちの側も、恐れずにもっと声をあげて行きましょう!

さて、本日は福岡で、
「微熱上映会&シンポジウム」を開催致します。
昨日、ムカついたばかりですから、
今日はエンジン全開でガンガン行きますよ!
皆さん、お楽しみに~。
九州方面の方、是非いらして下さいね~。

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