ベストの選択です

公開日: 

夫と、児童虐待の研究チームに参加させて頂いているため、
(夫はアプリ開発担当)
毎月1回全体会議に一緒に参加しているのですが、
そうすると珍しく一緒に帰れるため、
二人でご飯を食べたり、映画に行ったり、買い物をしたりします。

で、今日は二人で「ハドソン川の奇跡」を観てきたんですね。
FBでお知り合いの方にお勧めされて、
是非観たいなぁと思っていたのですが、
夫の観たいリストにも入っていたようで意見一致。
サクッと日本橋に行ってきました。

いやぁ、映画は実話だけあって、臨場感たっぷりで、
めっちゃ面白かったです。

で、私は、内容とは少々ずれますけど、
こんなことを考えていました。

私も、依存症者の介入をやっているので、
とっさの判断力がすごく要求されます。
どのインタベンションも、とっても緊張しながらやっています。

また、依存症回復施設にも関わっているので、
こちらも常に心配事は尽きないです。
現に今も、施設を飛び出した人がいて、
とても心配しています。

で、ですね、こういった現場のことって、
その場その場でBESTと思った選択をするしかなく、
自分はこの場はこれしかない!と思ったことを、
精一杯やっていくしかないですよね。

それでも、毎回必ずうまく行くとも限らないし、
支援にかかっていた人の自殺や事故死は、
毎年必ず起こっているのが現状です。

そんな時、後からはいつも思うんですよね。
「あぁすれば良かったのかな?」「こうしたら良かったのかな?」
もちろんご家族や周りの仲間も、そう思っているかもしれません。
「りこさん、あの時こうすれば良かったんじゃない?」と。

でも、今日はこう思ったんですよね。
結果から逆算することは誰にでもできる、
結果が分かっていれば、なんとでも言えると。

私、その時その時、精一杯やってきたけど、
やっぱりうまくいかなかったケースに関しては、
ものすごく自分を責めているんですよね。
常に贖罪の気持ちを持っていて、
重たい十字架を背負って生きている気がします。

人の命がかかっている、この活動に、
時々「疲れたなぁ」と思うこともあります。

ギャンブル産業に対しては、何も進まない現実に、
ゾウに立ち向かっている、アリのような気がして、
徒労感に見舞われることばかりです。

人の命に関わるような、リスクのある仕事はしたくない
と、心の中でいつも思っています。

これだけ話せるのですから、
自己啓発セミナーでもやったら、
よっぽど儲かりそうな気がします。
「普通のOLになりたい・・・」
一昔前のアイドルのようなことを考えたりもしてしまいます。

そしてその贖罪の気持ちを持ち、自分を責め続けることが、
自分のためになっている気がして、
ついやってしまうんですよね。

うまくいかなかった案件は、
あとから見れば、いくらでも別の選択があったと、
指摘できてしまいますから、自分責めはいくらでもできちゃいます。

で、今日は
「あぁ、私はずっとBESTを尽くしているよな。
一生懸命重圧と戦い、責任を果たしてきたよな」
と思ったんですよね。

自分を赦すことって、プログラムのお陰で、
だいぶ上手にできるようになりました。
でも、この人の命に関する部分、
支援にかかっていた人たちの死に関しては、
なかなか十字架が軽くならないです。

でもそれは多分私が人一倍、仲間の命を想ってきた、
証しじゃないかと思うんですよね。
誰よりも助けたかったんだって。
だから自分が動いたんだよねって。

私にはその時、その時でBESTを尽くすしかない。
いくつもの死を想うと、胸が張り裂けそうに辛いけど、
私は、少なくとも、自分に嘘はつかないで済む位、
精一杯はやってるよなぁと思ったんですよね。

一生忘れられない、いくつもの涙があります。
特に、最初に経験した、小学校1年生の息子さんの大粒の涙は、
本当に辛かったです。

あの時、こんなに悲しい涙をもう二度と見たくないと思ったのに、
その後も何度も見ることになりました。

でも少なくとも、その悲しみと重圧を受け入れ、
それでもこれをやり続けている自分は、
精一杯生きているよなぁと思ったんですよね。

BESTを尽くして、人の命の重みを大切にする、
これからも、それやっていくしかないんだよなって、
なんか納得した夜でした。

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