アノニマス・ピープルです

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昨日、回復研究会さんの主催で、映画「アノニマス・ピープル」の上映会、
及び、トークショーが開催されました。

この映画は、依存症者が実名、顔出しで自分の体験を語り、
社会への理解を深めて行こう!と立ち上がっていく様子を記録した、
ドキュメンタリーです。

つまり自助グループでの回復はもちろんありですが、
そこには伝統という壁があって、匿名性を大切にしなくてはならない。
すると一般の人たちには、依存症者の回復して行く姿が、
なかなか伝えられない!というジレンマがあるわけです。

偏見をなくせ!と社会にどんなに望んだとしても、
当事者の声や姿が見えなければ、
一般の人たちは、依存症と言う病気がどんな病気なのかも、
何をどう手助けしたらよいのか?も、
何が差別で何が偏見なのかもわからないわけですよ。

だから、逆に自助グループのメンバーということを語らずに、
一依存症者として、理解を求める発信をしていこう!という
ムーブメントが2000年頃のアメリカで起こり、
各種団体が立ちあがっていった様子を描いた映画なんです。

私、この映画初めて観た時にマジ感激しましたね。
だって、こんなこと全然知りませんでしたけど、
まさに「ギャンブル依存症問題を考える会」
を立ち上げたコンセプトそのものですもん。

「あぁ~、私たちが考えたことって間違ってなかったんだなぁ~!」
とめっちゃ嬉しかったですね。
私たちも、全く同じこと考えて、実名、顔出しで活動することにしたんですよね。

もちろん会のメンバー全員が、いますぐにそれができるわけじゃないですが、
でも「顔出しても平気だよ~」というメンバーはいることも事実。
だから早速今日は当会のHPをテコ入れして、
今まで、目隠しや、顔ぼかしでUPしていた写真を全部おろしました。
そしてこれからは、顔出しOKの人たちの、
笑顔や勇気が映し出された写真をUPしていきます。

自分たちが、自分たちを恥じ、そして他人の目を気にしていたのでは、
社会なんか変わるはずがない。
自分自身が自分に偏見を持っていながら、社会の偏見をなげいているなんて、
そんな矛盾を抱えたまま、一般の人に理解を得よう!なんて虫のいい話です。
まず自分たちが勇気ある一歩を踏み出し、変わっていかなくちゃ!と思ってます。

あの映画で一番「すごい!」と感服したのは、
一般の人たちにわかるような話し方の教育までやること。
なるほどなぁ~!と思いました。
私たちはもう自助グループ用語が当たり前になってしまっているけれど、
そんなの一般の人には伝わらない訳です。

例えば私たちは完治しないということにこだわって、
「回復中」ってよく言いますけど、これだと一般の人は、
「まだお酒が止まってないのかな?」と思っちゃうわけです。
だから「お酒をやめて何年たった回復者の田中です」
とか、そういう風に伝えないとね!っていうことをレクチャーするんです。
すごいですよね~。
それだけ一般の人に向けて、話す機会が沢山あるってのも羨ましい限りです。

昨日のトークショーでは、
精神科医の松本俊彦先生、
アスクの今成知美さん、
アルコール依存症当事者の笹井健次さんをゲストにお迎えして、
私がファシリテーターをさせて頂いたのですが、
会場も巻き込み、大盛り上がりでした。

You tubeに回復者のメッセージをUPしよう!とか
様々なプランも飛び出し、常に何かにチャレンジしたい私は、
もうワクワクしっぱなしでした。

そして最後の締めで、ゲストの皆さんそして会場の皆さんと、
「今から歴史を創ろう!」と誓い合いました。

皆が希望にあふれた夜でした。

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
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[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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