聖の青春です

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先日夫と二人で現在公開中の映画「聖の青春」を観てきました。
何度か書いたことがあるので、
もうお気づきの方がいらっしゃるかと思いますが、
私は、大の将棋ファン。
というか棋士の方々を、心からリスペクトしています。

将棋に比べたら、麻雀なんてもう本当にお遊び。
たかがギャンブル・・・って、思いますね。

いやぁ、将棋ほど疲れるゲームはない!と思っています。
面白いけど、考えすぎてへとへとになるので、
今はもうあんまりやりたいとは思いません。

でも、しょっちゅう将棋をやり、夢中になった時代もありました。
何を隠そう、それが1995~1998年頃。
はい、羽生さんが前人未到の7冠達成した時代で、
いわゆる羽生世代と言われた若手棋士が台頭してきた頃、
この私も将棋の面白さに夢中になっていたんですよね。
本当にミーハーですよね私。

でもあの時、将棋のイメージががらりと変わりましたよね~。
ひょうひょうとした、まだ少年の面影残る羽生さんが、
名人と呼ばれる、おじさんたちを淡々とやっつけちゃうんですから。
羽生さんは今でも全然おじさん臭くないですけど。
あれで将棋に興味を持った方は私だけじゃなく、
結構多いと思いますけどねぇ~。

あの頃、羽生さんや将棋に関する書籍が、
大量に出版されていて、もちろん私も読みあさっていたんですよね。
先崎学さんのエッセイが読みたくて、文春も毎週買っていたほどでした。

で、そういった将棋本の中で強烈に覚えているのが
「真剣師 小池重明」と、時代は少しあとですが2000年に出版された「聖の青春」。
小池重明さんは、お酒とギャンブルと、女性に溺れ身を持ち崩したアマチュア棋士。
そして村山聖さんは、今回映画になった29歳で夭折した天才棋士です。
当時、村山さんは、東の天才羽生善治VS西の天才 村山聖と呼ばれていました。

私は、将棋は全く才能がなく、ちっとも勝てないヘッポコピーですが、
あの奥深さや面白さは分かるつもりです。
ですから、今日、今成さんがFBで紹介していた、羽生さんのこんな記事も、
プロ棋士・羽生善治が語る、AI時代を生き抜くために「身につけるべきスキル」とは?(お仕事マガジン)
実に良く分かる!と面白く読ませて頂きました。

あの緊張感と、粘りはちょっと他にはない、
頭脳プレイじゃないでしょうか。
将棋の集中力って半端じゃないですよね。

しかもこの私、何故か棋士にはご縁があったんですよね。
遠いご縁ですけど。
まず、米長邦夫さんは高校の先輩ですし、
羽生さんや、ライバルと言われた佐藤康光さんて、
面白いことに同じ歯医者さんに通ってらして、
その歯医者で私、働いていたことがあるんですよね。
康光さんが2002年に王将となられた際は、
お祝いのパーティにも呼んでいただきました。

ですから、あの頃しょっちゅう棋士の方々にお会いすることができたんです。
あと奥様の畠田理恵さんとも!
あの方はお顔がお美しいだけでなく、お心も美しい方でした。

そんなこんなで楽しみにしていた、
「聖の青春」。
いやぁ、壮絶な人生、生きざまに思わず涙しました。

あれだけ一つのモノに打ち込める人生というのは、
幸せでもあるでしょうけど、でも苦しいだろうなぁ・・・
とも思いました。
でも、苦しくても止められない、それが天才の宿命じゃないかなと思います。

羽生さんがご著書の中で、
「天職とは、苦労を苦労と思わないで続けられること」
とおっしゃっていたのを見た時に、
まさに!って思ったんですけど、
村山さんは、ご病気のためにまさに命を削って将棋に臨んだわけで、
そこには我々には想像のつかない、世界観があったんじゃないかなと思います。

映画の中で、口が悪く、態度も悪い村山さんが、
羽生さんにだけは、憧れとも、尊敬ともとれる好意を示していて、
天才と言われたお二人がお互いをリスペクトし合う姿は、
見ている私に、益々棋士という仕事への憧憬を募らせるものでした。

羽生さんという天才と、同じ時代を生きられたことは、
棋士にとっても、ファンにとっても、
大きな恵みですよね。
そして、怪童 村山聖さんにとってもきっとそうだったと思います。

天才というのは、見える世界が周囲とは全く違う訳ですから、
良く言われることですが、孤独との闘いなわけですよね。
その孤独が消えることはないけれど、
同じ孤独を抱えた人同士だけに通じるスピリットはある・・・
そんな研ぎ澄まされた空気感を感じる映画でした。

将棋ファンじゃなくても、楽しめる映画だと思います。
是非ご覧になってみてはいかがでしょうか?
90年代後半、羽生世代に熱狂した将棋ファンは、
どうぞお見逃しなく!
めっちゃ懐かしい名勝負シーンが満載ですよ!

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