スポンサーシップです

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依存症の自助グループの一つに、アノニマスグループと呼ばれるグループがあって、
このアノニマスグループはアルコール依存症の自助グループAAに端を発するのですが、
今では世界中で実に200以上の種類のグループが存在すると言われています。

その1つが、ギャンブル依存症当事者の自助グループGAであり、
ギャンブルの家族の自助グループギャマノンです。

他にも、依存症者の家族の自助グループFA、
共依存から回復したい人の自助グループCoDA、
親との関係に問題を抱えている人の自助グループAC、
買い物依存症者の自助グループDA、
窃盗や万引き依存症者の自助グループKA、
ひきこもりの人の自助グループHAなどがあります。

で私も、あるアノニマスグループのメンバーですが、
このアノニマスグループの回復プログラムは、
12ステッププログラムと呼ばれています。

「自助グループ」というと=自分の気持ちを話す場所
と、思われがちですが、実はそういったミーティングだけでなく、
この12ステッププログラムを、経験者から新しい仲間へと手渡していく、
「スポンサーシップ」と呼ばれる、仕組みがあります。

自助グループの醍醐味の一つが、このスポンサーシップだと思っています。
12ステッププログラムは、依存症の回復プログラムとして、
全世界で最も多く持ちいられています。
だからもちろん良く効きます。

一言で言えば「他人を助けて自分が助かる」
「自分以外の偉大な力を信じて謙虚に生きる」という、
この世界の原理に気がつくことなんですけど、
人間そうそう過去の自分から変わられるわけではありません。
昨日まで、必死に自分や家族の依存症のことで頭がいっぱいだったのに、
他人を助けることで、自分が助かるなんて思わないですし、
ましてや「自分を超えた偉大な力がある=ハイヤパワー」なんて、
なんのこっちゃ?って感じなんです。

でもこのスポンサーシップと呼ばれる、
いわばメンターみたいな役割をしてくれる仲間と共に、
この12のステップをやっていくと、
ものすごく不思議なんですけど、
ものの見方が、がらっと変わって、
自分の人生がかけがえのないものと思えて、
自分の居場所が見つかるんです。
本当に不思議なんですけど。

で、私ももちろんこの12ステップをやった訳ですが、
この私、病が深かった分、このプログラムがそれこそ、
がつ~~~~~~ん!!!!!と言う感じで入ってきて、
実に良く効いたんですね。

ホントある日突然、プログラムのことが良く分かったというか、
「あぁ~!こういうことなのか!」と天啓に打たれた感じがして、
涙がとめどなく流れてきたんですよね。
もうね~、それ銀座線の中で、超恥ずかしかったんですけど。

でもって、そこから自分の人生が全て、点から線へと繋がった気がしました。
なんか嬉しかったですね~、あの時は。
「あぁ~、私生きてていいんだ~!」と思いましたもんね。

で、何でも夢中になるこの私、プログラムに書かれていることは、
「全て忠実にやろう!」と燃えてですね。
なんと1年間に50人の仲間のスポンサーになって、このプログラムを伝えたんですよね。
もう仕事もやめて、退職金と失業手当が尽きるまで、
全国を回って歩いたんです。

で、そんな生活を2年位送ってたんですが、
スポンサーもどんどん新しい人達にやって貰わなくっちゃ!
ってことで、そこからもう誰のスポンサーも頼まれても引き受けていなかったんです。
50人のスポンシーも、他のスポンサーに変わって行ったりして、
今はもうそんなにスポンシーさんもいないんですね。
ただ忙しい私には、この位で丁度良いと思ってました。

ところがココに来て、ひょんなことから、
新しい仲間のスポンサーを引き受けることになったんです。
なんと新しい仲間とステップを1からやるのは実に7年ぶり!
月日がたつのって本当に早いですね。

さてさて新しいスポンサーシップはどんな感じかな?
ある意味めっちゃ新鮮で楽しみです。

「他人を助けて、自分も助かる」
まさに原理と言うか真理ですよね。
12ステッププログラムにはこの真理が終始書かれています。
私たちは生涯「他人が幸せになるお手伝い」をし続けるよう
運命づけられた共同体なのです。
それをやり続けない限り、残されたものは死しかないと私は思っています。
私たちのプログラムはそのぐらい甘くはないけれども、
その分やらない人には味わえない、幸福が待っているのです。

だからいついかなる場所を読んでも、
この不思議なプログラムは自分に必要な言葉にあふれていて、
私は読むたびに感動で泣けてしまうのです。

当時も今も、その中でも一番好きな言葉は変わりません。

「いまあなたがすべきことは、一番人の役に立てるような場所にいることだから、
助けを必要とされている所へは、どこへでもためらわずに行かなければならない。
そうした用向きのためなら、地上の最も荒んだ場所へでさえ、
足をむけることをちゅうちょすべきではない。
こういう動機で、人生の前線を突き進むあなたを、
神はいつも災難からあなたを守ってくれるだろう。」

これを読んだ時、もう二度とあの依存症の苦労は味わいたくない!
二度とあんな災難はご免だ!
だから私は神様が守ってくれるなら、どこにでも行かなくちゃ!
と、思ったんです。
そして実際にやり続けてきました。
だから神様はずっと私を守ってくれています。
この約束は破られることはないのです。

私がまた新しい人を勇気づけ、
この世に居場所を作ってあげられるんだなぁ~と思うと、
それはやっぱり感謝しかないです。
そしてまた新しく始めることで、きっと私自身がもう一歩成長できるのだと思ってます。

自分の成長が楽しみで仕方ありません。
今の私は、自分に期待できる人になったからです。

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現在国内の推定罹患者536万人(2014年厚労省)のギャンブル依存問題。
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[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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