クレプトマニアとのクロスアディクションです

公開日: 

昨日のブログ、アゴラさんで掲載して頂いておりますので、
まだお読みになっていらっしゃらない方は、是非ご一読下さい。
茨城一家6人放火殺人事件は決して「特殊な話」ではない

さて、このような凶悪犯罪でないにしても、
ギャンブル依存症問題と犯罪は密接な関係にあります。
その中にはクレプトマニアと呼ばれる、
窃盗や万引きの依存症とギャンブル依存症の両方を持っている人がいて、
このクロスアディクションの人の回復には非常に苦心しております。

とにかくなかなかアディクションが止まらず、
回復施設内でお金を盗むなどのトラブルを起こしたり、
自助グループの献金を持ち逃げしたり、
回復してもすぐに再発してしまったりと、
私たちもがっくり肩を落とすことが多いです。

ですが、何故かこのクロスアディクションのご家族が、
割と簡単に考えていたりするんですね。
いやいや単純に考えて2つのアディクションがあるんですから、
普通のっていうのも変ですけど、
ギャンブル依存だけの人の倍の努力がいるってこと、
認識して頂きたいと思います。

何十回も申し上げていますが、
施設に入れりゃお終いなんかじゃないし、
どこかに魔法のような方法があるわけでもないし、
誰かがなんとかなんてしてくれないです。

ものすごく依存症の支援なんかうす~い日本で、
特にうすいのがこの行動依存の支援。
その中でも、ギャンブルとかクレプトマニアなんていうのは、
家族が甚大な被害を受けるにもかかわらず、
社会の同情もないし、打ち捨てられているのが現実なんですよ。

弁護士だって、裁判官だって、警察だって、
全然理解なんかありゃしないです。
だから自分たちで頑張って社会を変え、
弁護士や裁判官を逆に教育するくらいの強い覚悟で望まなくちゃ、
道なんか開けてこないんですよ。

ハッキリ言います。
難しい案件の家族ほど、必死に動いて社会を変えなきゃ、
お宅の息子は、生涯犯罪を繰り返して終わります。
それでもいいなら、いつまでもお客様気分で言い訳していて下さい。

活動に手も貸さなきゃ、仲間のグループLINEにも入らない。
こんだけ毎日情報発信しているブログも読まなければ、
書籍も読まない、セミナーも行かない。
自分はそんな楽なポジションに身を置き、高みの見物をしながら、
それでいて自分の息子を「助けて欲しい」と言っても、
あたしゃ知らないです。

以前はそれでも何とかしようと必死でしたが、
あまりの回復率の悪さ、再犯率の高さに、
とても私の持ってる資源だけじゃどうにもならない・・・と思ってます。
だから家族も必死にやってくれないなら、悪いけど無理です。

なんで必死に尻拭いはするのに、
助けるための実際の行動は、知らんぷりの他人事なんだろ?
と、不思議でならないですね。

もう一度ハッキリ言います。
一つの依存症だってなかなか回復しないのに、
二つ以上あったらまず回復しないです。
だから家族も一生懸命社会の理解と支援を取り付け、
社会の改革者となっていかなかったら、
あなたの息子は生涯犯罪を繰り返すのです。

それでいいのか?
よく考えてみて下さい。

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
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[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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