韓国のギャンブル依存症の現状です

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現在、韓国におりますが、何をしに来たかと言えば韓国のギャンブル依存症対策を学びに来たんですね。
2015年にも一度来たことがあったんですけど、今度は、ギャンブル依存症の回復施設「グレイス・ロード」の仲間と、
一緒に研修を受けにやって来ました。
来てみて、4年の歳月が流れると色々変わってくるなぁというのが率直な感想です。

まず、よく日本では依存症対策の失敗例として韓国、成功例としてシンガポールがあげられますけど、
状況から言ったら、日本は完全に韓国寄りですね。
シンガポールはカジノ開業前に5年間をかけて、依存症対策を整備したお陰で、
それまであったギャンブル依存症問題を減少させることができた。
(というふれこみ。実際にはシンガポールでも問題はいまだ多いというのがシンガポールの友人談ですが。)

それに対して、韓国はカジノ開業前にすでに6つの公営ギャンブルがあったにもかかわらず、
江原ランドというそれまで外国人専用だったカジノを、唯一自国民が入れるカジノとして2000年に開業したら、
ギャンブル依存症が大問題となって、江原ランドがある街は質屋が立ち並び、犯罪やホームレスが激増し、
大きな社会問題になってしまった・・・というものです。

もちろん韓国政府も対策をやらねば!と、立ちあがるわけで2007年には、
日本でいうギャンブル依存症対策基本法のようなものを作って、
依存症対策に邁進するわけですが、それでもなかなか改善されない・・・という状況にあります。

どうですか?日本と韓国ってそっくりじゃないですか?
しかも、韓国で大問題となっている依存症は、実はカジノなんかじゃない。
問題は、オンラインの闇ギャンブルなんですよね。

韓国の家族会にも参加させて頂いたのですが、
100名近いご家族や支援者の方々が熱心に勉強されていて驚いたのですが、

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中学生の子供がゲーム感覚でオンラインギャンブルにハマっていると聞いて驚きました。
つまり、オンラインの闇ギャンブルが日本で言うパチンコ屋さん並みに蔓延している・・・
それが韓国なんですね。さすがというかなんというかIT大国韓国です。
ちなみにtotoと呼ばれる、スポーツくじも韓国ではギャンブルとされています。
(というか日本以外はtotoはギャンブルに分類されますが)

ホント知れば知るほど、韓国のギャンブル依存症問題は日本とそっくりで、
韓国のオンライン闇ギャンブルを、日本ではパチンコに置き換えれば、
まさにどっちもどっち・・・という状況にあると思います。

ただ韓国と日本では大きく違うところが1つあってあそれは「民間力」です。
今回の韓国研修もアテンドして下さったのが、三河ダルクの松崎代表と藤岡ダルクの山本代表だったのですが、
このお二人はなんと15年ほど前から、「韓国ダルク」立ち上げのために奔走されてこられたんですね。
なぜなら韓国に回復施設がなかったから。

しかも完全に手弁当で自分たちの身銭を切って年に何回も韓国に通い、
日本で寄付金を集め、立ち上げから軌道に乗せるまでこぎつけ、
今では、韓国の方が自力で運営されているって言うんですから、凄い話しじゃないですか!
韓国の行政関係者なども、この韓国ダルクの目覚ましい活躍については良くご存じで、
「何故、そこまでやってくれるのか?」なんておっしゃっていて、
全く関係ない1ミリも協力できていない私まで、大変誇らしい気持ちになりました。
こういう友情関係をもっと報道してくれたら、
日韓関係だってもっとよくなる気がしますけどね。

日本には40年ほど前から、民間の自助努力で回復施設が立ちあがり、
ダルクさんなんかは全国で80カ所もあるわけですから、ここが韓国とは大きな違いで、
なんでもお上だけでやろうとしても上手くいかないな・・・ということが良く分かります。

で、今回韓国の家族会で講演させて頂いたんですけど、ここのご家族の皆さんは、
ギャンブル依存症回復施設の立ち上げを悲願としていらっしゃいました。
なので、講演でも「グレイス・ロードではどんなプログラムをやっているのか?」
「入寮費はいくらか?」「どうやって回復したのか?」などかなり具体的なことをつっこんで質問されていました。

依存症の仲間達の熱意は国境を超えるなぁ・・・と改めて思いましたが、
私も韓国の仲間達に何か貢献できることがあれば、是非やっていきたいな!と思っております。
次回は、韓国政府主導のギャンブル依存症対策について書きますね!

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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