自助グループの誤解です

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どうもギャンブル依存症について知ったかぶった、
研究者なんだか?ギャンブル産業のまわし者なんだか?
よく分かんない人とか、
その他れっきとした精神保健センター等の援助者や、
はたまた医療者のみなさんまでも、自助グループについて、
いい加減なことを、言ったり書いたりされているのが目に余るので、
私がどうしてもこれだけは伝えたい!ということを書きます。

自助グループの神髄は、なんといっても
「与えるものこそ、与えらる」という真理にあります。

つまり言いやすいので「自助グループ」と言ってますが、
実態は「相互援助グループ」であって、
繋がってきた人は「他の誰かを助ける」という援助者にまわっていくことによって、
自分の平安つまりシラフを保っていくところにあります。

もちろん繋がってきたばかりのビギナーさんは、
最初は混乱し絶望していますが、そうですねぇ・・・早ければ3カ月、長くても1年もあれば、
誰しもが見違えるような表情に変わっていきます。

ですから、自分や家族の問題で、シクシク泣いているのが自助グループではありません。
自助グループと言うのは「知恵と経験の宝庫」であり、
ギャンブル依存症から回復するための様々なビッグデータの集積場です。

「あぁ、そんな時はこうしな~」「そういう場合はこれやってみると良いよ」
「その場合は、どこそこにいけば支援を受けられるよ。」
「弁護士にはこういうべし!」「役所の窓口はこの資料持っていくと良いよ」
「調停が簡単にできるから調停起こすべし」などなど、
自助グループに繋がってくることで、ありとあらゆる情報を得ることができます。

自助グループのよさは、言いっ放し、聞きっぱなしのミーティングが全てではありません。
こういった情報が得られるフェローシップも大きな役割を果たします。
そしてなんといっても素晴らしいのは、
世界中で多くの依存症者が回復した実績をもつ
「12ステップ」というプログラムがあること、
そしてそれを伝えていく「スポンサーシップ」という伝承システムがあることです。

何だか知んないんですけど、自助グループの事
「恥ずかしい話をしなくちゃ行けない場所」といった、
揶揄し、バカにしたようなことを発信している研究者がいるらしく、
「あの人なんなんですか?」と問い合わせが来たりします。

もちろんそんなの放っておいてますけど、もうね~そういう研究者こそ、
実際12ステップやってみりゃあいいんですよね。
そんな勇気もないくせに、分かったような批判して痛々しい限りですわ。

12ステップというのは、やってみて分かるんですけど、
それはそれは素晴らしくシステマチックに、人間の本質をとらえ、
改善していけるプログラムなんです。

このことについて書いていくと、私いっくらでも書き続けてしまうので、
拙本に詳しい解説を書いたので、是非お読み頂ければと思うのですが、
三代目ギャン妻の物語

これをやり遂げるには勇気が絶対に必要です。

そしてやったことがあり、現在もやり続けている私達だからこそわかるのですが、
「棚卸し~埋め合わせ」と言われる行動のプログラムをやり遂げたあの達成感!
困難に立ち向かい成し遂げた、あの達成感はですね、
絶対に健康的な方法でドーパミンを放出していると思います。

特に、「超難関の人物に埋め合わせに行く!」これが肝心なんですよね。
なんと言っても私の場合それが母だったわけですが、
当時、母になんとかかんとかやっとこすっとこ埋め合わせができた、
その時は「あぁ、こんなもんか・・・」と思いましたけど、
埋め合わせのリストを全部チェックし終えて、
スポンサーに「なんとか母への埋め合わせを終え、これで全部の埋め合わせをやり終わりました~!」
と報告すると、スポンサーがめっちゃくちゃ喜んでくれてですね、
それですご~く喜びにあふれた記憶がありますね。

棚卸も埋め合わせもやる前はめっちゃ怖かった!
でも、「私は絶対できない。やり遂げられない・・・」
と思っていたのに、でもちゃんとできたぞ~!
という達成感こそが貴重な財産だと思います。

何度か棚卸をするうちに、段々自分の問題が深掘りされ、
さらにトラウマ問題の深淵を自分で掘り当て、
そこにもくまなく光をあてられた時には、
自分が暖かい繭に包まれたような、不思議な感覚を感じました。

とこの様に、自助グループには、世界中で何百万人という人達が回復した実績を持つ
「12ステップ」という回復プログラムがあり、
回復者が援助者となって、まだどっぷり苦しみの中にある人を、
助けているんだ!っていう、深みを是非とも理解して頂きたいと思うんです。

そして回復した人達に役割が与えられ、居場所になっているこの好循環を、
医療者、援助者そして様々な団体や機関が、
阻害するものであってはならないと思うのです。

自助グループだけで回復できない人達がいるのも事実です。
だから援助者や支援者はそこをサポートし、
連携を図っていくべきであって、
自助グループだけで回復できる人達に、余計な手出しや必要以上の関わりを持って、
自助グループに繋がる意欲を喪失させないで欲しいのです。

ましてや、援助職、研究者、支援者と名乗る人々が、
自助グループに批判的なコメントを出すことなど、
思い上がりもはなはだしく、
そういう人はまずあなたが体験してから言って下さいね!
と申し上げたいと思います。

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現在国内の推定罹患者320万人(2017年厚労省)のギャンブル依存問題。
日本でもギャンブル依存症対策の導入を!

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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