洲本市5人殺害事件に思うことです
またも、世間を大きなニュースが騒がせていますが、
洲本市で起きた5人殺害事件。
この事件でも、被害者の方は、明らかな予兆に怯え、
警察に何度も相談していたようですが、
こういった事件が起こるたびに、
なんとかならないものなのか?と思います。
そして、被害者の方はもちろんのこと、
加害者のご家族のお苦しみもいかばかりなものかと思います。
特に、長い間ひきこもり状態が続いていたようですが、
それだけでも家族の心労はどれだけ大きかったでしょうか。
ずっと、なんとかしたいと思っていたと思います。
私も、依存症のご家族の支援に関わっていて、
「これは至急なんとかしなくては・・・」
と思う案件に出会うことがあります。
大抵の場合は、ご両親がご高齢で、
ご本人は若い頃から職を転々としているか無職。
40歳を過ぎても尻拭いを続けた結果、
事態は悪化の一途をたどり、
段々暴力的になり、お金を渡さないと、
大声を出したり暴れたりする。
なすすべなく、お金を出し続けている。
こんな状態になっていると、
インタベンションを成功させない限り、
何が起こっても不思議はないという、
切羽詰まってしまっている時があります。
でも、様々な条件で、インタベンションが難しい・・・
という時もあって、そういう時はなんとかご家族に頑張って貰うか、
ご家族自身が、身を隠すしかありません。
それもご高齢になると、大変心配な状況なので、
そんな時は何か法的に有効なものはないだろうか?
と色々試行錯誤、やってみるのですが、
現行では結局何もありません。
で、必ず言われるのは
「何かあったら警察に相談して下さい。」
でも、ですよこの「何かあったら」の、
「何か」が今回のような殺人事件に発展したらどうするんだ!
と誰しも思いますよね。
実際、そうなってしまった事件は、
依存症に限らず、社会には沢山あるわけですし。
だからDV法の対象を配偶者間から広げるとか、
もう少し、見直しをして頂けないのか?と思います。
いつも言われることですが、当事者の人権は保護され、
拘留もできない、措置入院もできないとなりますけど、
被害者や、困っている家族の人権については、
配慮されないのでしょうか?
何か手助けはあってしかるべきじゃないでしょうか?
何度も言いますが、こういった事件があると必ず、
「親の責任」といった雰囲気になりますが、
家族の問題は、家族だけでは解決なんてできないのです。
私たちのような第三者の介入や、法整備、
そして回復できる施設の拡充。
こういった環境を整えていかない限り、
不幸な事件はなくなりません。
殺人事件というのは80%以上は面識のある人の犯行で、
そのうち50%以上は親族による事件なのです。
私たちは、通り魔事件のような凶行を、
鮮烈に覚えていますが、
実際そういった見ず知らずの人の犯行というのは、
10数パーセントにとどまっているのです。
そうではなく、これだけ多くの殺人事件が、
家族や親族、面識のある人によって起されているのですから、
家族の問題は、家族だけでは解決できないのだと、
思い込みによる世界観から、いい加減解放され、
有効な対策が法整備されることを
心から願っております。
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