沖縄の基地問題は国民全体の問題に!です

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沖縄の辺野古基地埋め立てをめぐる県民投票の結果が出ましたが、
投票率52.48% 反対が72.2%と民意が示されました。
私なんぞはこの結果をみて、
「あぁ、やはり沖縄の人は反対なんだな」と改めて思った次第です。

この基地問題、沖縄のことをあまりよく知らない本土の人間から見ると、
ネットなどでも様々な説があって、何が本当なのかよくわかりません。
中でも根強い噂は「反対しているのは県外の人間ばかり」というものでしたが、
今回の結果を受けて、それはデマだったのだなとわかりました。

そして、この結果を受け止めなくてはならないのは、
政府関係者はもちろんですが、いよいよ沖縄県民だけでなく、
「国民全体が考えるべき問題」となったんだなと思いました。

本土の住人である私にとって基地問題というのは、
まず沖縄の人の考えがわからないので、うかつなことを言うべきではないと思っていましたし、
触れるのが怖い、地雷のような感覚がありました。
なぜなら「基地なんかいらない!」というのはあまりに無防備だし、
「基地は必要」と発言したら、まるで戦争推進論者のように叩かれまくる
極端から極端にぶれるのが、この問題だからです。

ですから、考えるとあまりに怖すぎるので「そっと蓋をしておこう」というのが本音でした。
日頃「依存症を他人事とせず、自分事として考えて!」と訴え続けている私が、
実に、卑怯極まりない態度で、私のような沖縄県外の日本国民の態度が、
沖縄の人たちを長らく傷つけ、悲しませてきたのだと重々承知しています。

しかし、一つ言い訳させてもらうとしたら、
「じゃあ辺野古がNGとなった場合の、代替案は?」というのが全く見えてこず、
代替案なしでの反対ということに、
県外の人間である私は、どう判断していいかわからなかったというのが本音です。
しかし沖縄の民意をこれほどはっきりとを示されたなら、もう国民全体の問題として考えるしかないですよね。

基地問題は「そもそも基地を置くことに反対」と「基地は沖縄県外に!」という反対があると思うのですが、
「沖縄県外に!」という反対の場合は、代替の土地を探すしかないですよね。
この場合、すみません、勉強不足で全く知識がないのですが、
あくまでも素人考えですけど、
・まとまった大きな土地をどこかの県が基地に提供してくれる
・基地を分散させる
この二つしかないですよね?
そして今までそれが見つかっていないということですよね?

そもそも、軍事的な都合上、沖縄でなくてもいいのか?全く分からないですが、
この代替基地を探すには、今まで出てこないものこれからも難しいと思いますが、
基地が来ることで、県民に対する優遇措置を大幅に引き上げる・・・
などとして、探してみるしかないのでは?と思います。
あと現実的なのは、分散させることですよね。
少しずつ、各地で引き受ける。

では、基地そのものに反対するとなったらどうなるのか?
「米軍が守りを固めないとしたら、自衛隊を軍隊にするの?」という大問題に直面します。
今まで、多くの日本国民が、それだけは絶対に嫌!と思ってきたことであり、
それゆえ沖縄の基地問題に、気の毒だと思いながらほおっかむりしてきたことではないでしょうか。

日本が抱えるジレンマ。
米軍に守ってもらわなかったら、自国で守るしかなくなる。
一度この問題を真剣に考え、検証してみる必要があります。

「基地なんかなくても、平和は守られる」
というのは、あまりに無責任かつ能天気な議論だと、私は思っています。
実際、フィリピンではアメリカ軍撤退後、南シナ海を中国に埋め立てられてしまっています。

そして今日本は中国、韓国と関係は悪化していますし、
日本の国力は弱体化し、中国はどんどん力を拡大化しています。
こっちがいくら「話し合いで解決を!」と言ったって、
それは国民一人一人の友情レベルの話でしたら可能ですし、
実際、大多数の人は仲良くやっていますけど、国と国の話は全く違います。
向こうが聞く耳持たずにいきなりやってきたらそれまでです。

それとよく「永世中立国スイス」という言葉に、勘違いしがちですが、
スイスは日本人がイメージしているような、
「軍事的なこと全部放棄してます!平和が一番!」
みたいな牧歌的なところでは全然ないです。

ただ単に、どこの国ともくっつかない武装中立をしているだけで、
だからこそ逆に国民皆兵制という徴兵制をとっているんです。
日本がスイスになるとしたら、それはもう大変なことです。

私もスイスに若いころ行ったことがあるし、
TVでも紹介していた番組を見たことがありますが、
スイスは「一家に一台、自動小銃と核シェルター!」が当たり前の国なんですよね。
道路とか橋もその時のために、細工をして作られていて、
そもそも住宅の建築すら有事に備えて計画的に作られています。
「永世中立国って宣言しておけばどこも攻めてこないよね?」
なんてことは全然思っていない、
まさに「備えあれば憂いなし」「自国は自分たちで守る!」
を実践している国ですね。むしろ日本と真逆の考え方です。

私も、「国防費バッカ取りやがって、もっと福祉に回さんかい!」と、
日頃常々思っていますし、そう言ってます。
でも、基地をなくしたら、今のような丸腰同然の国防ではいられなくなるのでは?
ますます軍事費が増えるのでは?とも思っています。
「基地をなくしてその分福祉に!」なんてことは絶対にあり得ないと思っています。

けれどもその負担を、沖縄ばかりに押し付けるのはいい加減やめてくれ!
という沖縄の方々の気持ちもよくわかります。
普天間のそばにいると、「あの爆音が一日中聞こえるのか!」と驚きますもんね。
他に、米軍の事件などもあとを絶たないわけで、その悔しさは察するに余りあります。

だから辺野古の埋め立てを本気でストップさせるなら、
説得力があり実現可能な代替案を出すしかありません。
ただ単に「反対」と叫んでいても、問題は解決しないからです。

基地の機能がどういうものなのかわかってないですが、
私は、各地で分散して基地を引き受けるしかないのでは?と思っています。

しかし、こういうことを書くだけでも怖いですよね。
なぜなら、この問題になると、賛否両論ヒステリックなののしりあいがネットで渦巻いているからです。
だからこそ私のように、余計なことを言うまいと思う人が多数いて、
「沖縄基地他人事問題」がずっと解決してこなかったのではないでしょうか。

けれども沖縄県民の皆さんの民意がはっきり示された今、
考えを述べることも義務かな?と思って書いてみました。
依存症問題も国民の自分事にして欲しいからです。

[田中紀子の著書]
三代目ギャン妻の物語(高文研) ギャンブル依存症(角川新書)

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